夜間頻尿と老化の関係
頻尿とは起床から就寝までの間に８回、夜間就寝中に２回以上トイレに行く状態のことと
されていますが、実感としては、昼間の回数は「少し多いかな」と感じる程度で、極端に
多くない限りそれほど気になることもありませんが、夜間の場合は２回であっても、かな
り負担に感じることになります。
更に、睡眠が不足することで日常生活に支障が出たり、高齢者の場合は夜間にトイレに移
動するだけでも転倒して怪我をするリスクがあります。
頻尿の原因は、加齢によるものと病気によるものがありますが、中年以降の場合は、その
両方がかかわっていることも少なくありません。
例えば、加齢により排尿をコントロールする自律神経の機能が低下することで、過活動膀
胱という病気になります。すると膀胱が過敏になり、十分な尿が溜まっていなくても急に
尿意をもよおすという症状がでます。女性に多い「切迫性頻尿」がその代表です。
男性の前立腺肥大も尿道を圧迫することで尿がすっきり出ず、残尿感が頻尿の原因になり
ますが、この病気の原因も老化によるところが大きいのです。
もちろん、このような病気を伴わない場合でも、身体的機能の衰えや精神的なストレス、
自律神経の乱れなどが原因で頻尿になったり、膀胱炎など年齢に関係なく頻尿の原因にな
ることもありますが、総じて加齢による身体機能の低下と関係していることが多いのです。
夜間頻尿を改善する方法
頻尿も老化現象の１つと捉えると、案外すんなり受け入れることができ、その対策も立て
やすくなります。そこで、まず考えるべきは「生活習慣の見直し」です。
若ければ若いほど、他の人より体が老化しやすい生活をしていることになりますので、し
っかりと見直す必要があります。
そこで、まず最初に考えることは「水分の摂り過ぎ」です。高齢者は他の病気予防のため
に水分の積極的な摂取をすすめるケースもあり、判断に難しいかも知れませんが、夏など
の脱水状態になりやすい状況でなければ、しっかり食事を摂っていれば、それほど水分が
不足することもありませんので、頻尿で悩んでいる人で就寝前に水を飲む習慣のある人は
それをやめてみるだけでもかなり違います。
次に、高齢者が昼寝をするのは悪いことではありませんが、昼間に寝すぎると夜の眠りが
浅くなり、目が覚めたら何となくトイレに行くという習慣になることもありますので、昼
寝は体のリフレッシュ効果を得るものとしてほどほどにすることも大切です。
そして、手足の筋肉を鍛えることも役に立ちます。手足の運動と膀胱のつながりが分から
ないかも知れませんが、実はつながっているのです。手足の筋肉が鍛えられると膀胱その
ものの筋肉もパワーアップするのです。なので、散歩などゆるやかな運動を通して、手足
の筋肉が退化しないようにすることが、頻尿予防の裏技でもあるのです。
膀胱炎による頻尿は年齢に関係なく誰にでも起こりますが、高齢者の場合は再発しやすく
慢性化しやすいので、膀胱炎にかかったら、しっかり治療して、再発予防にも注意する必
要があります。
また、中高年になると、そもそも体の機能が全般的に老化傾向にありますので、機能低下
の改善に働きかけながら、尿の悩みにアプローチする漢方薬などの併用は更に効果が期待
できます。具体的に老化対策をしているという安心感につながり、精神的なストレスの軽
減につながり、自律神経を安定させることになりますので、精神面からの頻尿の原因を取
り除いてくれることにもなります。
老化対策とは、今できる心身の老化予防を実行しながら、自信を回復することにあります。