1.体重と糖尿病の密接な関係
あなたはどうして太っているのでしょう?
食べたものは、体を動かすエネルギーになりますが、過剰摂取された
糖分は、膵臓から分泌されるインスリンによって調整され、非常用の
エネルギー源として体に蓄積されることになります。
しかし、現在の日本で、食料の非常事態ということは、あまりなく、
蓄えられたエネルギー源を使い切らないうちに、また蓄えられるという
ことが続いていくことになります。
そう、あなたは太っていくことになるのです。
逆に考えれば、あなたが太るということは、インスリンが普通に分泌
されているということにもなります。
ところが、このインスリンの量が減るとか、質が低下するとか、
何らかの理由で、糖分のコントロールが出来ない状態になると、
血液中の糖分が正しくコントロールできなくなります。
そのような状態になった体が糖尿病ということなのです。
何らかの理由というのは、実はハッキリとわかっているのです。
日本人の場合は、過剰エネルギーをインスリンが処理できる能力は
トータル10年程度なのです。
これは欧米人の1/3くらいしかありません。
つまり、日本人のインスリンは約10年で力尽きて糖のコントロール
ができなくなってしまうのです。
中年以降に糖尿病が多く発症する理由がそれです。
2.体重を減らせば、すべての数値が良くなる
良く食べ、良く学び、良く運動をするのが美徳と、古い世代の人は
小学校の低学年の頃に教わったことがあるかも知れません。
しかし、大人になって仕事を持つようになると、このなかの運動と
いう部分が、まず疎かになっていきます。
そして、最後まで衰えないのが、「良く食べる」ということで、
そうなれば必然的にインスリンの出番が多くなり、それだけ早く
分泌終了となってしまいます。
もちろん、この分泌終了まで行きつくと、それはもう薬品のお世話に
なることになりますが、その手前で気付いた人は救われます。
今、健康診断で糖尿病と判定され、驚いて真剣に治療法を探して、
ここにたどり着かれたあなたはラッキーです。
現在の血糖値は参考程度にして、まずは体重(100kg未満なら)を
5kg落とすことを考えてみて下さい。
インスリンが終了手前なら、まだまだインスリンの効果が期待できるのです。
体重を落とすとは、糖分を控えることです。
初期の頃なら、血中の糖分が減るだけで、インスリンの効果が出てきます。
また、体重を減らすとは、体脂肪が減ることで、脂肪細胞から分泌される
インスリン抵抗性ホルモンが減少し、インスリンの効力が正常に働くように
なってくるからです。
この状態を保ちながら、数か月後に再度検査を受けてみて下さい。
血糖値はもちろん、おおよそ血液検査でわかるすべての数値が改善
されているはずです。
3.体重減は血糖値も合併症も減らす最高の手段
生まれながらのインスリン欠乏症、1型糖尿病の人は、
現時点ではインスリン注射以外に方法はありませんが、日本人の糖尿病の
約95%を占める2型糖尿病では、若い頃から長期間にわたっているような場合は、
膵臓の疲弊具合によっては治療の効果が見られないこともありますが、
インスリンの分泌能力があるものの、加齢による分泌量の減少や効力の減少で
糖尿病になっている人は、減量するだけで改善が期待できるのです。
もう1つの減量による重要なメリットは、
血管や神経系統を傷つける要因を減少させることになります。
結果、合併症といわれる心筋梗塞、脳梗塞、失明、手足の壊死といった
リスクを減らすことにもつながるのです。
血糖値に注目する医師は、すぐにインスリン注射をすすめますが、
それは血糖値を下げることはできても肥満を解消することにはなりません。
というより更に肥満体質にしてしまいます。
言い換えれば、それは合併症のリスクを加速させることでもあるのです。
幸いなことに、糖尿病というのは、すぐに悪化するというものではありません。
だからといって放置することは爆弾を抱えて生活するようなものですが、
体重を減らす努力をしているなら、少なくともそれ以上悪化することも
ありませんので、今、この瞬間から体重5kgを目標に落としてみて下さい。
私は、こんにゃく米を米に混ぜて炊きました。
そして、空腹を満たすためには、焼酎に豆腐という組合せの晩酌が役立ちました。
酒を飲めない人には、ところてんや豆乳こんにゃく麺がおすすめです。
ご安心下さい!
どれも血糖値を上げることはありません。