ストレスへの耐性とは
同じ環境で仕事や生活をしていても、すべての人が同じストレスを感じている
訳ではありません。つまり、同じ刺激を受けてもストレスとしての感じ方はそ
れぞれ違っていて、その反応の違いを作り出しているのがストレス耐性という
ものなのです。
ストレス耐性が高ければストレスを感じにくく、低ければ些細な刺激にも過剰
に反応することになるのです。
では、そのストレス耐性とはどういうものなのかと言うと、脳に残った刺激に
反応することなのですが、脳は私達が普段見たり聞いたりしている情報はもと
より、私達が意識できないような一瞬のごくわずかな刺激にも反応して情報を
残しているのです。
このようにして残された意識にない情報が、後々私達の意識に働きかける意識
のことを潜在意識というのですが、実生活ではこのような意識されていない刺
激の方が、意識されているものよりはるかに多いのです。
とは言っても、すべての刺激が同じように残っていくのかというと、そういう
ものではなく、脳はネガティブな内容の刺激により大きく反応します。
調和より違和感、快感より不快感、連続性より不連続性といったものに大きく
反応し、逆に違和感の少ない顔や、変化の少ない川の音など、脳の反応が小さ
いものにはリラックス効果があるということになります。
現代のような心の安らぎの少ない時代に「癒し系」といわれるグッズなどに人
気があるのもそのためで、ぬいぐるみの表情には「ほほ笑みと少しの悲しさ」
を、音楽には流れるような音階で連続性のあるものを採用することで、脳に少
しの刺激を加えながら大きな反応を起こさないという設定になっているのです。
デジタル化、高速化時代に生きている私達の脳は、それ以前に比べてはるかに
多くの刺激を受け、それは刺激というより、もはや脳への負担ともいうもので、
その結果が、わずかな刺激にも敏感になり、体のバランスを崩し、アレルギー
反応や不眠症といった不思議な病気が増え続けているのです。
ストレス耐性を高くするには
最近は、長寿を背景に「健康であることが美徳であり、健康でなければならな
い」といった半ば強迫観念的な健康ブームですが、その中で一番後発組なのが
「脳の健康を保つ」ということではないかと思います。
これまでの内臓や身体の健康には「○○を食べればよい」といったものが主力
で、脳の健康にもその種類のものがチラホラ見られますが、もちろんそれも意
味のないことではありませんが、脳の健康には何よりも「脳の安らぎ」を保つ
ことが重要なポイントになります。
脳の安らぎというと、また抽象的なことと思われるかも知れませんが、それほ
ど難しいことでもありません。一定の刺激が存在しつつ、その変化の少ない空
間に自分を置くことです。
具体的には、森や小川などの自然のある空間、神社・仏閣など最近はパソコン
でしか見たことがないという人も多いかも知れませんが、そのような忘れ去ら
れようとしている「古いもの」に接することが、実は「脳の安らぎ」には欠か
せないものなのです。
とは言っても、毎日旅行している訳でもないので、年中そのような環境にいる
ことがすでに無理という人には、ぜひ「庭の草取り」をおすすめします。
特に楽しさや意義を見つける必要はありません。そこに草があるから取り除く
という作業を黙々と続けるのです。脳に疲れない刺激を与えるという意味では
理想的な方法で、脳に安らぎを与えながら、庭も美しくなるという一石二鳥の
成果が期待できますね。
更に仕上げは、脳の健康のために必要な栄養剤がおすすめです。少し高価です
が、旅行に行くことを考えれば破格の安さという柔軟な決断をできる人は、お
そらく「脳の健康」も上手に保てる人に違いありません。