１．体が冷えると胃が痛む原因
体が冷えるということは、寒いということで、実はその寒さによるストレスによって胃が
痛くなるのが一番の原因とされています。よくストレスで体調がすぐれないということを
聞きますが、ストレスが必要以上にかかると、内分泌系や神経系に影響を与え、胃の働き
にも影響が及びます。その結果、胃痛が引き起こされるというのです。
消化器官には、自律神経と迷走神経が分布していて、消化器官の運動や消化液の分泌量を
管理しています。ストレスでこのバランスが崩れると、胃酸やペプシンなどの分泌が増加
して胃壁の粘膜が傷つくことで痛みが生じるようになります。これが寒さによるストレス
と胃痛の関係です。
そして、もう１つの原因は、寒さによる血行不良です。血流が悪くなると、全身が冷えて
消化器官への血流も低下します。特に、生命に危機を感じるような寒さになると、血液を
必要とする臓器に優先的に血液を送るように働きます。消化器官はそれほど緊急を要する
器官でもないと見なされて、血液の量を制限されてしまうことになります。すると、胃の
機能が低下し、胃壁が傷みやすく、修復しにくい状態になりますので、胃が荒れて痛みが
生じるようになります。これが寒さによる血流の悪化と胃痛の関係です。
もちろん、寒いと胃が痛む原因はこれだけではありませんが、多くの場合は、これら２つ
が関係していると言われていますので、まずはこれらを念頭に対処してみることです。
２．冷えによる胃痛の対処方法
体が冷えていることが原因ですから、とりあえずは体（全身）を温めることです。例えば、
寒い屋外で急に胃が痛み出した時には、どこかの建物の中に移動するだけでもかなり違い
ます。都会なら問題ないと思いますが、田舎の方でも、今より暖かいと感じるようなとこ
ろを探して移動しましょう。
近くに喫茶店などがあるようなら、そこに入って、少し具合が良くなってきたら胃に刺激
の少ないホットミルクなどの温かい飲み物を少しずつ飲んでみて下さい。もちろん、気分
が悪いほど冷えているなら、飲み物よりも、じっとして全身と胃の周りを温めることに専
念する方が良いかも知れません。
ある程度の時間が経過して、体が温まっているにもかかわらず胃痛が治まらないようなと
きは、冷えによる胃痛ではなく、他の病気である可能性もありますので、様子を見ながら
医療機関での診察も考えましょう。
寒い場所に長時間いたために胃が痛くなったというような場合は、ただ温めるだけで、ほ
ぼ痛みも心配も解消できますが、慢性的に冷えているようなら、やはり何らかの対策を考
えなけらばなりませんし、それがそのまま予防法ということにもなります。
まずは、寒いところへ出かけるときは、防寒対策ということになりますが、カイロを貼っ
たり、腹巻をしたり、考えられるだけの対策をするようにしましょう。最近、話題になっ
ているヒーターベストなどは非常に頼もしい防寒具としてマークして起きましょう。
また、もともと虚弱体質など、寒さに弱いことを自覚している人には、漢方薬などによる
体質の改善もおすすめの方法です。お腹周りを冷やさない＝内臓を冷やさないということ
ですが、内臓の冷えは単に胃が痛いというだけではなく、潰瘍やガンなど深刻な状況にな
ることもありますので、日頃から内臓の冷えは改善するように努めましょう。
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