冷え性に効果のある入浴

入浴は体が温まるということは誰でも知っていますが、それが冷え性改善にまで
効果があると信じる人は意外に少ないんですね。（笑）
 
それは、温めてもすぐに冷えてしまうし、いったん冷えてしまうと厚着をして
もなかなか温まらないし、結局、入浴は体を一瞬温めることはできても、冷え
症の改善にまでは至らないというのが一般的な考え方のようです。
 
しかし、温泉入浴となると、少し考え方も変わるようで、比較的効果がると考
える人が多い反面、毎日温泉入浴は無理だからという消極的な結論に達するた
め、結局のところ入浴で冷え症対策は無理ということになるんですね。（笑）
 
　　　　　　　　
 
誰でも、温泉治療という言葉を聞いたことがあると思いますが、温泉には泉質
によって、環境省が、温泉療養を行うことで効果を期待できる「適応症」や、
温泉に入ってはいけない症状を記した「禁忌症」というものを定めており、そ
れは私達の体に何らかの影響があることを意味しているのです。
 
温泉の一般的な効果としては、温熱作用と言って「血管を拡張し、筋肉や関節
の痛みをやわらげたり、血圧を下げる」などの他に、リラクス効果、疲労回復
効果、ストレス解消効果などがあります。
 
この辺のところは、一般的に知られている通りですが、具体的にはどういう効
果があるのかというと、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、五十肩といっ
た筋肉、関節の慢性的な痛みやこわばりに効果があるとされています。
 
更に、冷え性、胃腸機能低下、血圧・糖尿・コレステロール血症、喘息、痔疾、
自律神経の諸症状などにも効果があり、これらが一般的な温泉の共通した効果
ということなのです。
 
　　　　　　　　　　　　　
 
にわかに信じ難いですが、信じたい気持ちになりますよね。（笑）
 
確かに、温泉につかって出てくると、自宅での入浴よりも長い時間にわたって
体がポカポカしている状態は誰でも体験できることですし、毎日温泉に入って
いれば冷え性も改善されるような気持ちになるかも知れません。
 

　冬でも冷えないカラダ作り

温泉にはさまざまな優れた効果があることは分かりましたが、そんな中でも特
に「療養泉」という医学的に治療効果があるという温泉があり、主成分によっ
て分類されています。
 
そして、その中で「冷え性」に効果があるとされているのが「二酸化炭素泉」
で、二酸化炭素（炭酸ガス）を含む温泉が、科学的にも血管拡張作用があると
証明されているのです。
 
つまり、血管の拡張によって血液の循環がよくなり、切り傷、末梢の循環器障
害、冷え性、自律神経の不安定症状に効果があると言われています。
 
実は、炭酸ガスを含む温泉は、日本では大分県や北アルプスの温泉が有名です
が、少し前には映画にも登場していたので覚えている人もいるかも知れません
が、ヨーロッパに多く存在していて、ドイツなどでは古くから血管や心臓障害
などの治療やリハビリテ―ションとして利用されているのです。
 
　　　　
 
なので、温泉ならもしかしたらと思われた人も多いと思いますし、毎日温泉に
入ることができれば、確かに効果があると思われますが、なかなか温泉地に住
んでいる人以外は無理ですよね。
 
しかし、最近は技術の進歩で、天然の温泉水をそのまま凝縮して入浴剤にし、
自宅の風呂でも同じ条件で温泉浴が可能になって、自宅で湯治ができるんです。
 
もうやってるけど、あまり効果がないという人もいるかも知れませんが、その
ような場合は、今一度、入浴剤を確認してみて下さい。
 
単純に二酸化炭素入りという入浴剤ではなく、本物の温泉水を使った入浴剤で
あるかどうかを確認し、湯治は熱い湯に浸るというイメージで高温での入浴を
していないかなども確認してみて下さい。
 
日本は火山大国なのに炭酸泉が少ないのは、炭酸ガスは高温ではなく、低温の
源泉に多く含まれるため、高温の源泉である日本の温泉には少ないのです。
 
　　　　　　　　
 
ドイツの炭酸泉での湯治は、３２～３４℃で１５分程度の入浴と言われていま
すので、それじゃ風邪を引いてしまうと不安になるかも知れませんね。
 
もちろん、そこまで厳格に守る必要もありませんが、それでも熱いというイメ
ージではなく、むしろ「ぬるい」という感じの３８～４０℃の湯温で２０分程
度の入浴を毎日続けることが、体質の改善につながる入浴方法なのです。
 
冷え性に悩む皆さんは、ぜひ一度入浴による体質改善を試してみて下さい。