1.免疫と血流の関係
免疫細胞がもっとも多く集まっているのが腸で、免疫細胞は腸で鍛えられ、血液に乗って
全身をめぐりながら、病原菌やウイルスなどの有害な敵を攻撃して体を守っています。
これだけでも、免疫と血液は重要な関係にあることは誰にでもわかると思いますが、免疫
細胞というのはマクロファジーやリンパ球などの複数の白血球で混成されていて、これら
は比較的大きな細胞の集まりなのです。つまり、極細と言われる毛細血管内を自由に動き
回ることが難しく、細菌やウイルス退治に時間がかかってしまいます。
ただ、人間の体はこのようなときにも対応することができるようになっていて、その方法
が体温を上げて血管を拡張することなのです。ところが、このときに血流が悪いとそれも
うまく行かないので、すばやく細菌やウイルスに対抗できなくなります。病気はこのよう
なところから始まるのです。
一般的に、体温が 36.5℃~37℃ を保っている人は血行が良いとされていますが、低
体温と思っている人でも、体の中心部は37℃近くが保たれているため、特に生命が危険
な状態になることもありませんが、理想的な体温を保っている人は、見た目にも元気で、
寒さに強く、病気になりにくいということがわかっています。
逆に言えば、手足の先が冷えるとか風邪を引きやすいといった人は、血流が悪く、免疫細
胞の活動がうまくできていないということになります。
2.血流を良くする方法
血流が悪くなる大きな原因は何かと言うと、運動不足と自律神経の乱れです。人間は本来、
運動をして汗をかきながら生活するものですが、乗り物や空調設備の普及で、真逆の生活
をしている人が多いのです。
更に、現代はストレス社会とも言われるように、不規則な生活やストレスの蓄積で、自律
神経が乱れた状態にある人が増えています。血流をコントロールしているのが自律神経で
あることを知っていれば、これでは血流が悪くなって当たり前ということもわかりますね。
さらには、インスタント食品やファストフードなど、添加物満載の食事ばかりでは、血液
そのものがドロドロで、血流が良いはずもありません。
そこで、血流を良くするにはどうするかというと、まずは運動をしましょう。特に何をす
ると言うより、まずは階段を使って移動するとか、ストレッチなどをしてみるとか、とり
あえずはすぐにできることから始めてみることです。ウォーキングなどができる人は、ス
トレスの解消にもなりますので、おすすめです。
次に、食生活を見直してみることです。最低でも、ファストフードやインスタント食品、
コンビニ弁当などを常食としているような人は、血流が良くなる要素は何もないので、積
極的に見直すべきです。
これらを中心に、風呂は湯船にゆっくりと浸かる、禁煙する、ハイヒールなど足を締め付
ける履物はできるだけ控える、ハーブティーなど体が温まる飲み物に変える、といったこ
とを実践するだけでも、かなりの効果が期待できます。
また、本格的に体質の改善までめざしてみようと思う人には、漢方薬をおすすめします。
本来、漢方医学の得意とするところが「血のめぐり」なので、ここは信じても良いところ
かなと思います。
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