体の「コゲ」と「サビ」とは
体の老化の大きな原因と言われる「コゲ（糖化）」と「サビ（酸化）」は、見た目の老化
が話題になることが多いですが、それらが体内に蓄積されると心臓疾患、脳疾患などの原
因にもなると言われていて、ある意味こちらの方が深刻な問題かも知れません。
コゲとは、糖とタンパク質が結びついて加熱されてできるＡＧＥ（終末糖化産物）と呼ば
れる物質で、強い毒性を持つため、体の老化を早める原因物質と言われています。
老化と言うと、女性はすぐに肌のシミやシワなどを思い浮かべるかも知れませんが、蓄積
する場所によって心筋梗塞、脳梗塞、骨粗しょう症、白内障など、全身の健康と大きくか
かわっているのです。
一方で、サビというのは活性酸素による体の酸化のことで、極論すれば、呼吸をしている
だけでも活性酸素は発生しています。しかし、活性酸素のもともとの役割は体内に侵入し
てきたウイルスや細菌を攻撃して体を守る働きをすることなのですが、必要以上に増える
と、健康な細胞まで攻撃して酸化してしまうことになり、それが老化を引き起こす原因に
もなるのです。
糖化や酸化のサインとしては「白髪が増える」「髪が抜ける」「肌のシミ・シワが増える」
「視力が弱くなる」「胃がもたれる」「物忘れが多くなる」「疲れやすい」といったこと
を参考にするといいかも知れません。
コゲとサビを取り除く方法とは
コゲが増える大きな原因は「糖分」の摂り過ぎですが、自分は辛党だからと安心していて
はいけません。お酒もＡＧＥの原因になります。特にお酒を飲むとすぐに赤くなる人は要
注意です。
体内で作られるＡＧＥは見えませんが、焼き物や揚げ物のように高温で調理したような場
合にコゲて見えるものがＡＧＥの色です。
つまり、体内にコゲを溜めない方法は、「糖分を控える」ことと「高温調理を避ける」こ
とが基本です。とは言っても、コゲ色のつかない焼肉や炒め物って何となく美味しく感じ
ませんよね。そのような時は、できる限り「コゲ」を作らない調理を心掛けながら、昔か
ら添え物として使われているものを活用することです。
レモンやワサビ、コショウ、古漬け、レタスなど、何気なく添えられているこれらのもの
にもちゃんと理由があったのですね。
サビについては、呼吸を止めることはできませんが、それ以外にも「紫外線」「大気汚染」
「化学物質」「農薬」など、活性酸素を増やす原因には事欠きません。言うなれば私たちは
活性酸素のリスクの中で生活しているようなものなのです。
しかし、私たちの体には「抗酸化力」というものが備わっているので、それほど簡単には
酸化されません。ところが、加齢や食生活の乱れなどで、この抗酸化力もやがて酸化を防
ぐことができなくなってしまうことで体の酸化が進むことになります。
加齢によるものは仕方ないにしても、食生活や生活習慣の乱れの激しい人は、それだけ老
化も加速することになりますので、そこのところをまず改めなければなりません。特に活
性酸素から酸素を奪うことで攻撃力を無くしてしまうのが「抗酸化酵素」と呼ばれるもの
ですが、この抗酸化酵素の働きを助けるのが、食事などから摂取する「抗酸化成分」と言
われるものなのです。
いろいろなところで紹介されているので、ご存知の人も多いと思いますが、緑黄色野菜に
多く含まれる「ビタミンＣ」「ビタミンＥ」「βカロテン」「リコピン」、お茶やコーヒ
ーなどに含まれるポリフェノールなどがその抗酸化成分に当たります。
なので、肌のエイジングケアを考えておられるなら、いろいろな美容液を塗るより、内側
から「コゲ」「サビ」のケアをする方が効率的と言えます。少数ですが、そのような目的
で開発されたサプリメントもありますので、興味があれば試してみることをおすすめしま
す。意外な効果に驚かれるかも知れません。
