１．動脈硬化とは
動脈硬化とは、血管が硬くなって、柔軟性がなくなった状態のことを言います。よく古く
なったゴムホースに例える人もいますが、まぁ、そのようなところです。
動脈硬化の原因としてよく言われるのはＬＤＬコレステロールですが、専門的なことを述
べてもすぐに理解できる人は少ないので、ここでは血管の内皮細胞に何らかの原因で傷が
つき、それによる炎症反応で動脈硬化は起きるということにしておきましょう。
つまり、脂質異常症などコレステロールが増加することが大きな要因となって、動脈硬化
が起こるということなのです。もちろん原因はそれだけではなく、高血圧、糖尿病、タバ
コやアルコールによる化学的刺激、ストレス、加齢なども原因になります。
脂質異常症、高血圧、糖尿病と言えば、生活習慣病であることからも分かりやすいですが、
要は、加齢による血管の老化はどうすることもできませんが、それ以上に生活習慣による
ところが大きい病気なのです。
現時点で、生活習慣病を指摘されているような人はもちろんですが、その前段階とも言わ
れる肥満気味の人も、できるだけ早めに対策を考えることをおすすめします。
動脈硬化になると、古いゴムホースのように、硬くなり柔軟性がなくなりますので、高血
圧（動脈硬化の人は血液が流れにくいので高血圧であることが多い）で高負荷がかかると
破裂したり、水垢が溜まってゴムホースの中が細くなるように、狭くなった血管に血栓が
できて詰まったりすることが増えてきます。その結果として起こる障害は、場所により、
心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤と言われ、深刻な事態を招くことにもなるのです。
２．動脈硬化の予防
動脈硬化を防ぐには、まずは食事の内容を見直してみましょう。当然のことながら、脂身
の多い肉や揚げ物などの摂取を控えると同時に、食物繊維の多い食材を増やします。これ
だけでも、血中のコレステロール値はかなり改善されます。抗酸化作用のあるビタミンＣ
やビタミンＥも意識して摂るようにします。
次は、健康と名の付くところでは必須項目ですが、適度な運動はやはりここでも必要です。
運動によって、余分なエネルギーを消費できますし、筋肉量を増やすことで基礎代謝もよ
くなり、糖や脂質の代謝も改善されます。
一度劣化してしまった血管を維持して生きながらえる対策のようなイメージがあるかも知
れませんが、実は、血管というのは劣化していても、正しく努力すれば再び若返るという
非常にやりがいのあるものでもあるのです。
なので、とりあえずは、食事の内容を見直すこと、適度な運動をすることから始めてみる
ことです。ある程度の期間継続することができれば、これだけでもかなりの体の変化に気
付くことができるはずです。
また、変な動脈硬化予防のためのサプリメントなどに手を出すなら、全身の血流の改善を
めざすタイプの漢方薬などがおすすめです。漢方薬は、医薬品として認可を受けているも
のが大半ですので、そのものズバリの効果が期待できるのです。
薬は嫌いという人は、ホウレン草、小松菜、枝豆、ブロッコリー、アスパラなどを多く摂
るようにすると効果的です。ただし、血管の若返りには、半年から１年の期間を要します
ので、気長に長期戦で臨む気持ちが大切です。
血栓というところから、同じように考えられることが多いエコノミークラス症候群（肺血
栓塞栓症）ですが、これは静脈の流れが悪くなって血液がよどむことで、血栓ができてと
どまり、何らかのきっかけで心臓に戻ると、肺動脈（心臓から肺へ向かう血管）を詰まら
せてしまうことのある病気です。血管の劣化とは直接関係ありませんが、それも含めて、
全身の血管を若返らせておくことで、症状の予防になることはまちがいありません。
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