1.肩こりと自律神経の関係とは
デスクワークやあまり体を動かさない生活をしている人は、肩がこりやすい傾向にありま
すが、その肩のこりが首から背中にかけてガチガチに固まっているような場合は、自律神
経が関係しているかも知れません。
ひどい肩こり以外にも、頭痛やめまい、耳鳴り、便秘、下痢、不眠、倦怠感などの症状が
現れることも多いようです。このような場合は、肩こりの原因が肩にあるわけではありま
せんので、枕を変えたり、湿布薬を貼って寝てもあまり効果は期待できません。
例えば、デスクワークの場合、パソコンなどの作業、上司との関係や仕事のストレス、運
動不足といった肩こりの原因になりやすい環境にあり、これらは、いずれも肩こりと関係
していますが、近年、増えているのが、人間関係や仕事上でのストレスによる自律神経の
乱れが主な原因になっている肩こりと言われています。
自律神経と言えば、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)のバラン
スにより、健康な生活が送れるように働いてくれていますが、ストレスが多く、交感神経
ばかりが働いてしまうような生活をしていると、全身の筋肉が緊張状態になり、血管は収
縮し、血流が悪くなり、首の周辺から背中にかけての筋肉がこわばってしまうことになり、
そのようになった状態が肩こりという症状なのです。
昔は、筋肉の使い過ぎで硬くなってしまう人が多かったのですが、近年は使わなさすぎで
硬くなってしまっている人が多いと言われていて、それも肩こりの一因と言われています。
2.自律神経からくる肩こり改善
肩こりといえば、肩のマッサージという人もいますが、肩こりは肩の周りだけより全身の
筋肉を動かす方が効果的です。ウォーキングや水泳などの全身運動は、全身の筋肉をほぐ
し、血流もよくなり、ストレスの解消にもなります。
自律神経を乱す大きな要因は2つあり、その1つはストレスですが、ストレスは、自分の
努力や工夫だけでは改善できないことが多いですので、趣味や運動を通してできるだけ解
消できるようにしましょう。
たまに、自律神経を改善する薬はないかという人もいますが、この種の薬としては、血の
めぐりを良くして体を温めたり、水分代謝を整えることで体質を改善する漢方薬が有効と
言われています。しかし、漢方薬というのは高価なので、あまり積極的にはすすめてきま
せんでした。ところが、最近、有名な製薬会社が漢方処方で作ったルビーナという製品が
お手頃な価格でしたので、参考までに紹介しておきます。更年期障害=自律神経失調症の
意味をご存知の方はすぐに理解できますよね。
また、自分の物事の捉え方を変える認知行動療法を取り入れてみるのも良いかも知れませ
ん。例えば、大きな仕事を任されたとき「自分にはできるはずがない、失敗したらどうし
よう」と考えるのではなく、「自分を鍛える良いチャンス、ダメ元でやってみよう」と考
え方を変えてみるだけで、受けるストレスの大きさはずいぶん違います。
そして、もう1つは生活習慣です。自律神経失調症になる人は、生活習慣の乱れている人
に多いとも言われていますので、夜更かし、食事時間が不規則、偏食、たばこ・アルコー
ルの過剰摂取など、思い当たるところがある人は見直しましょう。こちらは、自分の努力
で何とかできることですので、ぜひ見直してみて下さい。
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