１．気温と関節痛の関係
関節が痛む原因はさまざまで、よく知られている関節リウマチや変形性関節症をはじめと
して、細菌による化膿性関節炎、食生活の乱れによる痛風、急激な過度の運動などによる
関節痛、肥満などが代表的なものです。
これらの関節痛は、特に寒いからという訳でもなく起こるものですが、寒いときにはより
悪化させてしまうことが知られています。私たちの体は、寒くなると、体内の熱を逃がさ
ないように血管を収縮させて内臓を守ろうとします。すると末端の体温が低下して、関節
も冷えることになります。
さらに、血流が悪くなると、関節の軟骨などに必要な栄養や酸素が届きにくくなったり、
周辺の筋肉にも緊張やこりが生じることになります。つまり、関節痛が起きる条件が揃い
やすく、もともと関節に問題をかかえている場合は、一層その傾向が強くなるのです。
また筋肉が緊張すると、その間を縫うように伸びている神経も圧迫することになります。
神経は圧迫されると敏感になりますので、よけいに痛みを感じやすくなるのです。そして
あまり意識されませんが、寒いときには自然と姿勢が悪くなっていることが多く、いつも
と違うところに負担がかかることになります。これも関節痛が悪化する要因と言われてい
ます。
特に、これらのいろいろな条件が揃ってしまいやすい高齢者の場合は、寒いときには膝や
肩、腰などに不調を訴えることが多くなりますので、できるだけ体を冷やさないように、
寒くなる前から注意をしておくことが大切です。
２．冷えによる関節痛対策
もうすでに痛みを感じている場合は、とりあえずは入浴で全身を温めたり、保温サポータ
ー（固定するものではなく温めるタイプのもの）で関節を保護したりして、冷えを少なく
するようにすることです。それほど痛みを感じないようなら、適度なストレッチなどで血
流の改善を試みるのも良い方法です。ともかく、冷えを取り除くことで関節痛は和らげる
ことができますので、できる範囲で冷え取りをしてみましょう。
しかし、関節に不安がある人は、寒くなる前に運動をして筋肉を強化したり、肥満を解消
しておくことです。肥満を解消するだけでも関節痛が改善することがあるとも言われてい
ますので、寒くなるまえにウォーキングなどの軽い運動の習慣をつけることです。その際
には筋力強化グッズも活用すれば効果的です。また、肥満と関節痛の両方に役立つという
有難い漢方処方薬もありますので、必要ならそれも活用してみましょう。
そして、体の内側から温める方法としては、高たんぱく低カロリーの食品を心掛けましょ
う。タンパク質は腸の温活だけでなく、筋肉の強化にも必要です。
最後は、当然と言えば当然ですが、関節（特に手首・足首など、首とつく場所）を中心に
冷えないような服装を工夫してみましょう。デスクワークの人は、長時間にわたる同じ姿
勢に注意して、足首をまわしたり、ふくらはぎをマッサージしたり、何らかの運動を組み
込むようにしましょう。夏と言わず冬と言わず、冷暖房器具に頼り過ぎることはやめ、自
然の体温調節機能を高めるようにしましょう。
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