胃もたれが起きる原因
誰でも一度は胃がもたれるという経験をしたことがあると思いますが、若い頃の胃もたれ
は、だいたいが食べ過ぎや消化に時間がかかる肉類や揚げ物などを食べたことを自覚して
いることが多く、症状も一時的であることが多いため、それほど問題になることもありま
せん。
しかし、ある程度の年齢になると、胃の働きの低下による胃もたれも経験することが多く
なりますし、仕事上での過剰飲酒やストレスなどが原因で胃がもたれることもあります。
アルコールの過剰摂取は、胃の粘膜に障害を引き起こし、腹痛や嘔吐、吐血などの症状が
見られることもありますし、同時に腸の機能も低下させてしまうため下痢をしたり、肝臓
で代謝されなかった毒性物質による二日酔いや胃もたれという症状が起きます。
この辺のところまでは、本人が原因も理解できているので、それほど深刻に考える人もい
ないようですが、加齢による胃の機能の低下やストレスによる胃もたれは、その原因がい
まいちよく分からないことから不安になることもあります。
加齢により胃の機能が低下すると、食べ物の消化に時間がかかることが胃もたれの主な原
因ですが、血流が悪くなり胃の粘膜を守る力が弱くなることも胃もたれの原因になります。
ストレスは年齢に関係なく、自律神経の乱れにつながることで、胃の働きをコントロール
する機能が不調になり、胃もたれを引き起こすことになります。
胃もたれの対処と予防
一般的に、胃もたれは時間が経過すれば解消されていくものですのですので、それほど深
刻に考える必要もありませんが、何か薬を飲んで早くスッキリしたいという場合は、市販
の胃腸薬が簡単な方法です。ただ、胃腸薬といっても「胃の運動機能を回復させるもの」
「消化を早めるもの」「胃酸を調整するもの」がありますので、自身の症状に合ったもの
を選ぶようにします。
他には、温かいものを飲むという方法もあります。もちろん胃に負担のかかるものは良く
ありませんが、一番まちがいのないのは「白湯」です。人肌温度にして飲むとかなり効果
が期待できます。
ただ、加齢による胃の機能低下による胃もたれは、漢方薬のようなもので、おだやかに胃
の機能を回復させることも必要です。私のおすすめは、昔は家庭の置き薬として利用され
ていた和漢薬の「たんとらがん」です。厳選された生薬の見本のような和漢薬で、現代は
化学薬品に押され気味ですが、本当に良い薬とはこういうものだと実感できる薬です。
そして、胃もたれは、その原因も比較的わかりやすいので、予防することが一番です。こ
れは、胃もたれに限らず、胃のトラブル全般を予防することにもなりますので、ぜひ実践
してみて下さい。
まずは、暴飲暴食は避け、腹八分目を心掛け、規則正しい食生活を習慣化します。脂っこ
い食べ物、消化の悪い食べ物、刺激の強い食べ物を控え、飲酒・喫煙もほどほどにします。
さらに、ストレスの解消と血流の改善にも役立つ「軽い運動」をすることです。
特別変わったことをする訳でもありませんが、加齢とともに内臓の機能が衰えてくると、
若いころと同じことをしているだけでも、胃もたれなどが起こりやすくなりますので、そ
れなりに生活スタイルを変えて対応する以外に方法はないのです。
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