1.よくある頻尿の原因
頻尿とは、尿の回数が多すぎると本人が悩む症状で、一般的には昼間に8回以上トイレに
行く場合とされています。しかし、回数だけで判断すると、例えば、出かける前、乗り物
に乗る前、入浴前といったふうに、何か行動を起こす前には膀胱に十分な量がたまってい
なくても必ずトイレに行くという習慣のある人は、排尿回数が増えて当たり前ということ
になります。
このような症状は「習慣性頻尿」と言い、尿がもれそうになったり、膀胱に不快感がある
といった他の症状もなく、ただ回数が増えているだけですので、特に病気というものでは
ありません。
次に多いのが、排尿量が多く、回数も多いというケースです。近年、みずみずしい肌とか
血液サラサラとか、美容や健康のためという目的で、こまめに水分補給をしている真面目
な人がいます。しかし、水分の過剰摂取が肌や血液の質を変えるという根拠はなく、不必
要に摂取された水分はただ尿となって排出されるだけなのです。なので、体重50~60
kgの人なら、1日に1L~1.5Lの水分摂取で十分なのです。
そして、高齢になれば増える傾向にあるのが夜間頻尿です。ある種のデータでは、70歳
以上の約3割が夜間に3回以上トイレに行くとされています。この場合の頻尿の原因と言
われているのが、加齢により膀胱の伸縮性が低下して十分な尿がためられない膀胱畜尿障
害、夜間の尿量が多い夜間多尿、睡眠に問題がある睡眠障害が主なものです。
正直、ここまでのところは、本人や周囲の人が特に治療を希望していない場合は、まずは
生活習慣を見直してみることで案外改善されることが多いです。
ただし、強い尿意がきて、がまんしようとしても漏れてしまうといった症状である場合は、
過活動膀胱や前立腺肥大(男性)による症状かも知れませんし、排尿後に残尿感がありす
ぐまたトイレに行きたくなる場合は、不完全尿閉かも知れませんので、泌尿器科を受診し
てみることをおすすめします。
2.頻尿対策と生活習慣
まずは、習慣性頻尿は、特に尿意がない状態や少し尿意がある状態で排尿していることが
多いので、思い当たるところがある人は、尿意をやりすごしてトイレに行く間隔を延ばし
てみることから始めてみることです。そうすることで、やがて十分にたまった状態で尿意
が感じられるようになります。
尿の回数も尿量も多い場合は、美容・健康志向で水分の過剰摂取になっていないかを考え
てみましょう。脱水状態になるのは良くありませんが、適性な水分摂取を心掛けるように
することで改善されることが多いようです。
夜間頻尿の場合は、加齢による膀胱機能の低下によるところが大きいですが、この場合は
ある程度は仕方ないとしても、漢方薬などを試してみると良いかも知れません。生活習慣
的なものとしては、夕食や入浴後に何もすることがないからと、眠くもないのに早めに寝
ると、夜中に目が覚めやすくなり、トイレに行くというパターンも意外に多いですので、
体の疲れ具合に応じた睡眠を考えてみましょう。また、質の良い睡眠をとるために、でき
れば、夕方に散歩をしてみるとか、室内でスクワットなどの運動をしてみるといったこと
も良いかも知れません。
一般的に、頻尿は生命の危機にかかわるようなものでもありませんので、生活習慣を改め
るなどの工夫で改善することが可能ですが、なかには尿路感染症や膀胱結石、膀胱ガンな
どの思わぬ病気が潜んでいることもありますので、心配なら病院で検査を受けて確認して
おくと良いでしょう。
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