夜間頻尿の原因
昼間に２時間に一度（昼間に８回）程度トイレに行くのは普通とされていて、それ以上を
頻尿というのだそうですが、それはあくまでも目安で、自身が排尿回数が多いと感じるか
どうかで判断するのが良いと言われています。つまり「普段の回数より多いか、少ないか」
ということです。
一般的には、昼間の場合の排尿回数は、日常生活に支障をきたすほどにならなければ、特
に頻尿を意識することもないと思いますが、夜間の頻尿となると少し違ってきます。
夜間頻尿になると「睡眠不足」「寝ぼけて思わぬ怪我」「家族の睡眠の妨げ」など、排尿
そのものが生活に支障をきたすことになります。そして「頻尿」について真剣に考えるき
っかけになることが多いのも夜間頻尿であると言われています。
では、この「夜間頻尿」とはどうして起こるのかというと、その特徴的な原因としては、
「加齢による腎機能の低下」「抗利尿ホルモンの減少」「前立腺肥大症（男性）」「過活
動性膀胱」「睡眠時無呼吸症候群」「睡眠障害」「心因性」などとされています。
ある程度の年齢になると、この特徴的な原因も理解できると思いますが、それとは別に年
齢に関係なく、突然、頻尿になってしまったという場合は「膀胱炎」「尿道炎」などであ
ることが多いですが、ときには「尿崩症」「糖尿病」「ガン」などの病気のサインである
場合もありますので、違和感がある場合は病院で診察を受けることも必要です。
夜間頻尿の対策
腎機能の低下などによる多尿の場合は、就寝１～２時間前から飲み物を多く飲まないよう
にすることです。また、加齢とともに多くの薬を飲んでいる人も少なくないと思いますが、
利尿効果のある薬を服用している場合は、他の薬に変えてもらうのも１つの方法です。
前立腺肥大症の場合は、a1遮断薬が有効とされていますが、過活動性膀胱も併発している
場合は膀胱弛緩薬も必要になります。
無呼吸症候群の対策は、肥満傾向にある人は体重を落とすことから始め、あおむけで眠ら
ない、枕の高さを変える、鼻で呼吸をする、アルコール摂取量を控えるなど、思い当たる
ところがあれば改善しましょう。
睡眠障害・心因性の場合は、どちらも精神的な問題ですので一概には断定できませんが、
寝室の灯り、騒音、日当たりなど睡眠を妨げる環境、起床時間・睡眠時間などの睡眠習慣、
コーヒー、飲酒など嗜好品の摂取状態、薬の副作用、ストレスなど、さまざまな原因があ
ります。一般的には睡眠薬などを服用する人も多いですが、意外に高い評価を受けている
ものに漢方薬があります。
東洋医学に基づく医薬品ですので、サプリメントなどとは違い「病気を改善するための目
的で開発され厚生労働省の認可を受けた薬品」です。私たちは西洋医学に慣れているので、
漢方薬というと、何となく効果がなさそうに思うかもしれませんが、それは西洋医学はイ
ンフルエンザなどのように原因がハッキリしている病気を得意とし、東洋医学は生活習慣
病など原因が複数あって体の機能全体のバランスに着目していることにあります。
つまり、頻尿や更年期障害、アトピー性皮膚炎など、西洋医学ではほとんど対処法無しの
分野で認められているのが東洋医学で、まさに「夜間頻尿」などはその典型的な病気と言
えるかも知れません。
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