冷え性と生活習慣の関係
女性に多い冷え症は、あれこれ冷え対策と称する商品を買うのではなく、まず
は衣食住を中心とした生活習慣を改善してみましょう。
女性に冷えが多いのは、女性の生活習慣の方が男性よりも冷えやすいことにあ
るんですね。つまり、筋肉量が少ない、ホルモンバランスが崩れやすいといっ
た体質・体格的な問題に、生活習慣が絡んでくると冷えの原因になりやすいと
いうことなんです。
冷えの症状としては、「すぐに手足が冷える」「体が温まりにくい」などがあ
りますが、精神的にも影響して「むくみ」「腹痛」「頭痛」「生理不順」など
切実な問題となることも少なくありません。
このようなことをヒントに生活習慣を変えることで、冷えが改善されることも
よくありますので、これまでいろいろな冷え対策アイテムを試しても、なかな
か冷えが改善されなかったという人は、一度この根本的な冷え対策からやり直
してみてはいかがでしょうか？
冷えのメカニズムとは、人間の体は寒さを感じると、体内の熱を逃がさないよ
うにしようと末梢の血管を収縮させます。すると血流が悪くなり熱が末端まで
うまく届かなくなることが、手足に冷えを感じる原因で、実は人間の体で大事
な内臓を保護するための自然の機能なのです。
そして、筋肉量の少ない女性は、もともと体内で作り出す熱量が少ないため、
より早くそのような状況になりますし、身体全体の冷えを感じるようになって
しまうのです。
冷えを改善するためには
体を温める食品を積極的に摂ると冷え性を改善できるという迷信のような説が
ありますが、唐辛子などに含まれるカプサイシンは一時的に体温を上昇させる
働きがありますが、汗をかいたりして逆に体温を下げてしまうことになります。
また、有名なショウガにもジンゲロールという成分が含まれていて、血流を増
加させ温感を高める働きがありますが、それも一時的な現象で、大量に摂取し
たからといって冷え性が改善することはありません。
人間の体は、３７度より低い温度の食品を摂取すると熱の放出を防ぎ体温を上
げようとし、３７度より高い温度の食品を摂取すると体熱を放出し体温を正常
に戻そうとするようになっています。
なので、特定の食品にこだわるのではなく、栄養バランスのとれた食事を心が
け、自然に備わっている体温のメカニズムを正常に保つようにすることが冷え
対策の基本なのです。
女性の多くは、パンやパスタなど簡単な炭水化物だけで食事を済ませてしまう
人が多いのですが、これも問題で、炭水化物は体を動かす人には熱を発生させ
る手段になりますが、運動量の少ない女性が熱量を発生させやすくするにはタ
ンパク質の摂取が必要なのです。
次に、女性の衣類は薄く、露出も多いので冷えやすいというのは周知のところ
ですが、だからと言って末端が冷える人が靴下を重ねたり、カイロで温めても
冷え性が改善することはありません。
冷えを改善するためには、全身の交感神経の緊張を緩め、血管を拡張すること
が基本なのです。なので、下着はできるだけ面積の広いものを着け、体幹深部
まで温めることで、交感神経の緊張が緩み、末梢の血流が改善されるのです。
寒いときには重ね着で対応するのが温度調整に向いていますが、厚着もし過ぎ
ると、体を圧迫して逆に血流が悪くなることもありますのでほどほどに。
そして、何と言っても熱量アップは筋力アップですので、無理のないところで
筋力を強化することが必要です。駅のホームなどでもエスカレーターより階段、
買い物でもカートを押すより買い物カゴ、といったように何事も「楽」をしよ
うとしないで出来るだけ自分の体を使うことで、知らず知らず筋力は強化され
ていくものなのです。そこを外していくら１日３０分のウォ―キングだけをし
ても、その効果ははるかに低いものでしかないのです。
それから、冷え性にシャワーという組合せは当然不向きであることは誰にでも
わかりますよね。なので湯船に浸かる人が多いのは正解ですが、冬場に半身浴
というのは感心できません。冷え改善のためには４０℃前後の湯温に全身浴で
１０分が目安です。
これは冷えに限らず、筋肉のこりをほぐし、ヒートショックタンパク質による
体の修復作用も期待できるので、ぜひ実行していただきたいところです。
ところで、風呂上りに冷たいビールという人もいるかも知れませんが、ビール
でも日本酒でも、アルコールの過剰摂取は体温の低下につながりますので、冷
え性を自覚している人は、常に飲み過ぎには気をつけましょう。
いかがですか？意外に思い当たるところがたくさん有りませんか？
このように生活習慣を改善してみるだけで、意外にもどのサプリメントなどよ
り効果が現れるかも知れませんよ。（笑）
