変形性指関節症の原因・症状と治療・予防法

　　　変形性指関節症の原因と症状　　　
　　　変形性指関節症の治療と予防法

　　　変形性指関節症の原因と症状　　　

変形性関節症と言えば「膝」が代名詞のようになっていますが、それと同じようなことが
指の関節に起こることを変形性指関節症と言います。

つまり、何らかの原因で関節の軟骨がすり減ることで起こる病気です。骨と骨の間にあっ
てクッションのような役割をしている軟骨がすり減ることで関節に負担がかかり、炎症が
起こり、腫れや痛みが起こるという症状です。

主に現れる症状としては、指を使うと痛む、指が変形するといったことですが、ひどい場
合は物を持つこともできなくなります。

よく似た症状が現れるものに関節リウマチがありますが、こちらは全身に症状が出る病気
で、膝など指関節以外の関節にも変形や痛みが現れる点で異なります。変形性指関節症は
特定の指関節だけに起こる病気です。

なかでも最も多いのが「ヘバーデン結節（指の第一関節に腫れや痛みが生じる）」「母指
ＣМ関節症（親指の付け根にあるＣＭ関節に腫れや痛みが生じる）」です。

変形性指関節症を起こしやすい人は、長年にわたり手仕事を続けてきた人や特定の指に突
き指などの後遺症を持つ人ですが、その大半は女性で、年齢的にも４０代以降に多いこと
から女性ホルモンとの関係も大きいと考えられています。

日常的に指をよく使う人は、特に４０歳からの女性は、ちょっとした指の腫れや痛みに気
付いたら早めに対処することで、症状を悪化させないようにすることが大切です。

　　　変形性指関節症の治療と予防法　　　

変形性指関節症の治療の最終手段としては、骨の一部を削る手術ということになりますが、
一般的には患部の固定と消炎鎮痛剤を使って痛みを抑えながら自然治癒をめざします。

消炎鎮痛薬は湿布薬や塗り薬、飲み薬などを使いますが、普段から使い慣れているものが
あればそれで良いと思いますが、思いつかない人にはこちらがおすすめです。

痛みを抑えるためにはテーピングや装具を使うことになりますが、ヘバーデン結節の場合
は絆創膏で代用することもできますので、テーピングでも絆創膏でも自分の使い勝手の良
い方でいいのかなと思います。

母指ＣＭ関節症の場合は、テーピングでは無理ですので装具が必要です。人気のある装具
としては親指サポーターがありますので、参考にして下さい。

このようにして、やがて痛みがとれていくと一段落ということになりますが、大切なこと
はその後に繰り返さないようにすることです。

なので、治療中にその予防方法もマスターしておくと役に立ちます。指が不自由なときの
動作を覚えておくのです。例えば、お菓子の袋を開けるときには指で引っ張るのではなく
ハサミで切るとか、ペットボトルのキャップを開ける時は安価に売られている補助グッズ
を利用するとか、レジ袋などを指先で引っかけて持つのではなくリュックやショッピング
カートなどを使って運ぶといった感じで、指に負担をかけないようにすることです。

また、手作業を仕事にしているような人は、できるだけ手を休める時間を確保するように
し、指に違和感や痛みがあれば無理をしないことです。

そして、腫れや痛みがなくても、仕事などで指を使わなければならないときは伸縮性のあ
るテーピングテープなどを作業前に巻いて、指を保護することを心掛けましょう。

それ以外の変化球としては、女性ホルモンに似たエクオールなどをサプリメントで補給す
るという方法もあります。確かなエビデンスはありませんが、変形性指関節症も更年期障
害の１種であるとすれば、他の症状と同じように症状の軽減も期待できるからです。

更に、近年はスマホなどで指を使い過ぎる傾向にあると言われていますので、自覚してい
る人は、中高年以降は特に気をつける必要があります。