１．腸内環境の状態を知るには
美容や健康分野では「腸内環境を整える」という話がよく登場しますが、腸内環境を整え
るとはどういうことをするのか、腸内環境が整うとどうして美容や健康に良い効果がある
のかという基本的なところを解説していきます。
腸内環境という言葉が出てくると、必ず出てくるのが「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」
という名前ですが、私たちの腸内にはこれらの菌が１０００種類以上、約１００兆個も生
息しています。これらが腸内細菌というものですが、そのなかでも体に良い働きをするも
のを「善玉菌」、体に悪い働きをするものを「悪玉菌」、どちらでもない菌のことを「日
和見菌」という３種類に分類されています。日和見菌というのは、腸内で善玉菌と悪玉菌
の優勢な方に加勢するタイプの菌であるため、そのように呼ばれています。
腸内環境というのは、これらの３種類の菌の量のバランスのことを言います。つまり、腸
内で善玉菌が悪玉菌より優勢であり、悪玉菌の活動を抑制できている状態にあるとき「腸
内環境が良い」ということになり、逆に、悪玉菌が善玉菌より多くなって、腸内が不健康
な状態になっているときを「腸内環境が悪い」ということです。腸内細菌の理想のバラン
スは「善玉：悪玉：日和見＝２：１：７」と言われています。
では、その腸内環境の現状を知るにはどうすれば良いのかというと、それは毎日の「お通
じ」の状態で確認できるのです。腸内環境が良い状態にあるときは、便は黄色系の褐色で
悪臭はなく、バナナ状の形態になります。腸内環境が悪いときは、便の色が黒っぽかった
り、悪臭がしたり、下痢や便秘をすることが多くなります。
２．腸内環境と美容・健康の関係
美容と言えば、まずはスマートな体系からということで、ダイエットに取り組む人が多い
ですが、腸内環境が正常化されて、必要な栄養を吸収して、不要なものを排出するという
機能が正常化すれば、便秘は解消され、ダイエット効果が期待でき、代謝が良くなること
で美肌効果も期待できるようになります。さらに悪玉菌が減少すれば体臭の解消効果も期
待できると言われているのです。
また健康面でも、私たちの体を守る免疫機能を構成する免疫細胞の約７割が腸に存在して
いると言われていますので、免疫機能は腸内環境によるところが大きいのは当然ですが、
近年、健康長寿に役立つ成分として注目されている「短鎖脂肪酸」も、実は腸内の善玉菌
が行う発酵によって作られる物質なのです。そして、この短鎖脂肪酸も免疫機能の強化の
サポーターであると言われていますので、免疫細胞の活性化には腸内環境を整えることが
必須条件ということになります。
では、どうすれば腸内環境が整うのかということですが、まずは善玉菌を直接摂取するこ
とです。納豆・漬物・味噌などの発酵食品がおすすめですが、苦手な人は医薬品としても
販売されていますのでそれを利用しましょう。
次は、腸内で善玉菌を増やすことです。オリゴ糖や食物繊維など善玉菌の餌になるような
食品を意識して食べるようにしましょう。大豆・にんにく・玉ねぎ・ごぼう・バナナなど
にはオリゴ糖が多く含まれているとされています。食物繊維が豊富な食品としては、コン
ニャク・きのこ・ブロッコリー・ニンジン・豆類・ごぼうなどがあります。
そして、生活習慣を見直すことも大切ですが、特に、適度な運動をすることや睡眠不足に
ならないようにすること、ストレスをためないようにすることなどが腸内環境を整えるた
めの効果的な方法としてすすめられています。
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