１．腸内環境と健康の関係
近年、健康管理と言えば腸内環境の改善といった話が多くなっていますが、腸内環境を整
えるとどのようなメリットがあるのかご存知でしょうか。腸内環境が良くなると腸内の免
疫細胞が正常化され「免疫が上がる」、トリプトファンの生成がアップして「睡眠の質が
上がる」、免疫細胞の働きが良くなると細胞組織の炎症も抑えられるため「老化予防につ
ながる」、エネルギー代謝を上げる短鎖脂肪酸の生成がアップして「肥満予防効果」が期
待できると言われています。ただ、腸内環境を強く意識するときとしては「便秘」「腹部
膨満感」「下痢」「軟便」など、便に関する症状がもっとも多いというデータがあります。
私たちの腸内には、１００兆個以上の腸内細菌が腸の壁に菌種ごとにびっしりと並んで生
息しています。この状態を腸内細菌叢と言いますが、腸内フローラと呼ばれることが多い
ようです。その細菌の中でも善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスが２：１：７が理想と
されていますが、最近の研究では、病弱の人は健康な人より「細菌の種類が少ない」とい
うこともわかってきており、腸内細菌の「バランス」とともに腸内細菌の「多様性」を保
つことも腸内環境を整える（腸活）意味にに含めることもあります。
善玉菌とは、ビフィズス菌や乳酸菌など悪玉菌の増殖を抑える菌のことで、悪玉菌とは、
ウェルシュ菌やブドウ球菌などなど腸内に有害物質を増やす菌、日和見菌とは、腸内の善
玉菌と悪玉菌の多い菌に従って同じ働きをするようになる菌のことです。
２．腸内環境の改善と確認
腸内細菌を整えるには、善玉菌を増やすことから始めます。まずは食事の見直しで、善玉
菌を増やすには善玉菌を含む食品（納豆・味噌・チーズなどの発酵食品）や善玉菌のエサ
となる食品（海藻類・キノコ類・イモ類など）の食品を増やすことです。
次に、ウォーキングやストレッチなど軽い運動をすること、ストレス解消、生活習慣の改
善（睡眠時間・食事時間・喫煙・過剰飲酒など）をすることなどを継続することです。
腸活にはいろいろな指導書が出ていますが、多くをやれば良いというものでもなく、必要
なことを継続することに意味があります。ただ、腸内の様子は見ることができませんので
改善されているかどうかわからないまま継続するのも難しいかも知れませんが、実は腸内
環境はある程度は自分で確認することも可能です。
その方法は、便秘などがきっかけで腸内環境改善の必要性を感じた人にはその症状の改善
そのものということになりますが、それ以外の人でも、便によって知ることができます。
「スッキリ出る」「あまり臭わない」「黄色から黄褐色である」「練り歯磨き状の硬さで
ある」という視点で、どの程度クリアできているかが判断基準になります。
可能ですので、そちらの選択肢もありますが、できるだけ食事で改善できることを心がけ
るようにして下さい。
