1.フレイルとサルコペニアの違い
近年、よく耳にする言葉に「フレイル」「サルコペニア」があります。特に高齢者が居る
家庭では普通に見聞きする言葉ですが、その違いについて確認しておきましょう。
フレイルとは、高齢による衰弱の意味です。語源は米語の frailty=虚弱ですが、虚弱では
もう健康な状態に戻れないという失望感がともないますので、そのままフレイルとして早
期に適切な介入を行い、加齢による身体機能や予備能力の低下を改善することで、また健
康な状態に戻れることが期待できる状態、つまり、健康な状態と要介護の中間の状態を意
味する言葉とされています。
サルコペニアとは、ギリシャ語の sarco(筋肉)と penia(喪失)の造語で、加齢や疾患
により筋肉量が減少し、全身の筋力低下による身体機能の低下が生じた状態のことを言い
ます。筋肉減弱症とも言われますが、栄養不足や運動不足を背景にした筋肉・筋力の減少
により、死亡リスクを伴う身体機能障害、生活の質の低下の状態にあることを言います。

フレイル、サルコペニアとともに、私たちがよく耳にする言葉にロコモティブシンドロー
ムがあります。ロコモとも言われますが、ある意味、こちらの方が一般的には馴染みのあ
る言葉かも知れません。ロコモは運動器症候群と呼ばれ、筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板
などの運動器に支障が起きていて、自分1人で移動することが難しくなっている状態のこ
とを意味する日本国内でのみ使われる日本語です。よく知られている骨の病気「骨粗しょ
う症」は、フレイル・サルコペニア・ロコモに関係する病気(原因疾患)とされています
ので、骨粗しょう症と診断されている人は注意が必要です。
2.フレイル・サルコペニアの対策
フレイル・サルコペニア・ロコモティブシンドロームは、それぞれによく見聞きする言葉
ですが、イマイチ違いがよく分からないという人も多いですが、それも当然で、大雑把に
言えば、いずれも加齢や病気、運動不足などが原因で筋肉量(筋力)が低下して、主に歩
けなく(歩きにくく)なった状態のことで、その程度の差によって呼び名が変わっている
といったところなのです。
なので、これらの症状の予防・改善の方法もほぼ同じで、食事や運動を通して筋肉量・筋
力・骨・関節などの運動器の強化が中心になります。
まずは食事ですが、大切なのはタンパク質とエネルギー源になる食品にポイントを置くこ
とです。特に体内では合成されない必須アミノ酸の摂取が重要で、なかでも筋肉の構成で
約40%を占めるとされる分子鎖アミノ酸(マグロ・鶏肉・牛肉・大豆製品・チーズなど)
が不足しないように注意することです。
また、日頃はあまり意識することは少ないですが、ビタミンDの摂取も必須になります。
ビタミンDは、食事以外に日光浴でも皮膚合成されますので、あまり不足することはあり
ませんが、フレイルやサルコペニアが疑われる人はあまり外出をしない環境にある人が多
い傾向にありますので、意識してビタミンDの摂取を考えるようにして下さい。

運動では、レジスタンス運動(筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動)が必要で、
階段や坂道歩行、室内でもできるスクワットなどがおすすめの運動になります。
で、それを利用することから始めるのもアリかなと思います。