1.立ちくらみの症状と原因
立ちくらみとは、その名の通り「立ち上がったときにめまいやふらつきを覚える」という
のが一般的な症状です。意識を失うところまでは行かなくても、かなりその状態に近いと
ころになりますし、年齢に関係なく起こる症状です。ただ、若い健康な人の場合は反射性
失神、高齢者の場合は起立性低血圧が原因になっていることが多いと言われています。
反射性失神というのは、副交感神経が一時的に過剰に緊張することで、心拍数が下がり、
血圧が低下することで、脳への血流も一時的に低下することで起こる症状です。長時間立
ったまま・座ったままの状態で過ごしたときや、不眠・疲労・恐怖・閉塞空間などの心身
のストレスなどが原因で起こります。
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起立性低血圧というのは、加齢や薬品の影響で血圧調整機能が低下して、一時的に脳への
血流が低下することで起こる症状です。いずれの場合も、意識を失うところまで行かなけ
れば、特に緊急事態でもありませんので、立ちくらみの症状が起きた場合は、まずは「座
るか横になって、その後にゆっくりと立ち上がる」ようにすると回復することが多いよう
です。
ただ、1週間に数回の立ちくらみがあるような場合は、パーキンソン病など神経系の疾患
が関係していることも多いので、早目に専門医の診断を受けることも必要です。また、女
性(特に閉経前やダイエット中)に立ちくらみが頻発するような場合は、その原因の多く
は「貧血」にあると言われています。子宮内膜増殖症や子宮筋腫などによる過多月経が見
られないようなら、とりあえずは食事内容を見直し、鉄分を多く摂取することを心がける
ようにしましょう。
2.女性の立ちくらみと貧血
立ちくらみは、条件が揃えば誰にでも起こる可能性がありますが、女性の立ちくらみの原
因で多いのが貧血と言われています。女性は月経のたびに出血している上に、ダイエット
などで偏った食事をしていたりして、鉄欠乏性貧血になっている人が多いためです。
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本人はあまり意識していないと思いますが、ダイエット中やインスタント食品、コンビニ
弁当などを常食としている人で、立ちくらみが頻発しているような場合は、一応「貧血」
を疑ってみる必要があります。また、それとは別に立ちくらみの予防法を覚えておくこと
も大切です。立ちくらみは、起きてしまったら「安静」を保つこと、予防は「立ち上がる
とき、起き上がるとき、振り向くときなど、急な体の動作を避け、ゆっくりと体を動かす
ようにする」ことです。
ど鉄の吸収力を上げる食品も一緒に摂るようにすることです。食生活だけでは難しいとい
う場合は、貧血改善の医薬品もありますので、上手に活用すようにしましょう。
一般的に意識のある立ちくらみはしばらく安静にしていれば治まりますが、たまに頭痛や
吐き気、嘔吐、手足の麻痺といった症状が出たり、意識がなくなってしまうような場合は
一刻を争うような状況であることが多いので、安静にするのと同時に救急車の手配も考え
なければなりません。また、普通の立ちくらみであっても、30分程度安静にしていても
症状が治まらないようなら、やはり病院で検査を受けることをおすすめします。