ニンジンの美容・健康効果
カレーやシチューでおなじみの野菜「ニンジン」は、美容や健康のための緑黄色野菜の王
様と言えるような存在で、しかも手軽にいつでも簡単に手に入る強みもあります。
今回は、そのニンジンの持つ優れた効能のなかの美肌・高血圧・便秘についてのお話です。
ニンジンと言えば「βカロテン（天然色素）」「クマリン（ポリフェノール）」「ビタミ
ンＣ、Ｅ」が豊富に含まれています。これらはもう美容関係では知らない人がいないほど
有名な成分で、皮膚の新陳代謝、紫外線ダメージの回復、乾燥肌予防などの必須成分です。
次に、ニンジンの持つ豊富な栄養素の中でも比較的マイナーなのがミネラル類なのですが、
カリウムに関しては平均以上に含んでいます。カリウムと言えば「体内の塩分調整」で有
名ですが、ニンジンには悪玉コレステロールが活性酸素と結合してできる過酸化脂質を処
理したときに残るマクロファージの死骸（プラークの原因）に、ポリフェノールの「クマ
リン」が作用して血液の流れを改善すると言われています。
つまり、不要な塩分を排出し、血液を固まりにくくして血流をスムーズにする働きがある
ことで高血圧予防につながる訳ですね。クマリンはポリフェノールですので、もちろん抗
酸化作用もあり、βカロテンやルテインなどのカロテノイドと一緒になって強い抗酸化力
も期待できることになります。
そして、便秘と言えば「食物繊維」がすぐに思い浮かびますが、ニンジンの食物繊維の特
徴は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」が理想のバランスで含まれていることにあ
ります。つまり、体内で分解されることなく水分を吸収して膨らむ不溶性食物繊維は、便
のカサを増やし腸の働きに刺激を与えて排便を促します。
一方で、水溶性の食物繊維は、消化器官内をゆっくり移動しながら糖や脂質の吸収を抑え、
コレステロールや胆汁酸を吸収して体外に排出する作用があります。また、ビフィズス菌
など善玉菌のエサになって腸内環境を整える働きもあります。
つまり、これらの働きをする不溶性・水溶性の食物繊維が理想の配分で含まれていること
で、腸内環境を整え、便秘や下痢を改善するという総合的な効果が期待できることになり
ます。
効果的なニンジンの摂取法
ニンジンは体に良く、手軽に入手できるということで、その気になればいくらでも食べる
ことも可能ですが、食べ過ぎはやはり少し問題があります。
特別に大きな害があるというものでもありませんが、ニンジンと言えばビタミンＡが豊富
に含まれています。ビタミンＡは脂溶性なので過剰摂取は体内に蓄積されてしまいます。
すると、肌荒れ、出血、頭痛などの症状が現れることがありますので、サプリメントなど
で過剰に摂取する人は注意が必要です。
次に多いのが「柑皮症（かんぴしょう）」です。これは色素の摂り過ぎですので、特に健
康に問題が出ることもありません。気になる人は摂取量を減らせば自然になくなります。
では、適正な量とはどれぐらいかということですが、サイズで言えば「Ｍサイズ」のもの
を１日１本程度ならそれほど気にする量でもないということになります。
とは言っても、毎日ニンジンを１本料理に使うというのもなかなか難しいところがありま
すよね。特に生活習慣病や便秘などの問題を解消したいという人は、ついついサプリメン
トなどに頼りたくなると思いますが、少し前に話題になった「ニンジンりんごジュース」
というのを思い出して下さい。
ニンジンもリンゴもどちらも美容・健康に良いとされる食べ物ですので、それが２つ集ま
って悪いはずがありません。ただ、やはり毎日作るのが問題になるかも知れませんが、サ
プリメントを選ぶなら「奇跡の人参ジュース」という１００％ニンジンとリンゴだけで作
られたジュースを試してみて下さい。まさに「感動の味」とはこういうものだと思います。
