1.高齢者の夜間頻尿
夜中に排尿で起きなければならない症状のことを夜間頻尿といいますが、中高年の皆さん
の排尿に関するトラブルでもっとも多い症状と言われています。
医学的には、夜中に1回以上トイレに行けば夜間頻尿とされていますが、40歳以上では
約4500万人の人が夜間頻尿に当てはまると言われていますので、中年以降ではほぼ全
員が該当します。なので、中高年の人が、夜中に1回ぐらいトイレで起きても、まぁ、そ
れで普通ということですので、それほど悩むこともないと思いますが、複数回になってく
ると、本人の感じ方にもよりますが、何か対策を考えた方が良いのかも知れません。
心臓や腎臓に問題がない場合の夜間頻尿の原因は、加齢による膀胱の容量の減少、膀胱機
能の低下による過活動膀胱や前立腺炎、膀胱炎などが影響してることが多いと言われてい
ます。また、高齢者の場合は、運動量に比べて良く寝る、つまり、疲れていないのに睡眠
時間が多すぎて、目が覚めるといった睡眠障害が原因となっていることもよくあります。
そして、高齢になると、いろいろな薬を飲む人が増えてきますが、高血圧などの治療薬に
は利尿作用があったりしますので、各自の内服薬について主治医に聞いてみるのも良いか
も知れません。また、単純に、水分の摂り過ぎ、寒さによる冷えなども夜間頻尿の原因に
なりますので、最近急に排尿回数が増えたという場合は、1日の生活スタイルをじっくり
見直してみることも必要です。
2.夜間頻尿の改善法
すでに述べてきたような自身の日常生活を見直してみて、該当するようなところがあれば、
まずはそこから改善してみるのが早いと思います。
問題は、それ以外の膀胱そのものの機能低下の方で、女性に多い尿漏れなどを改善するに
は膀胱周辺の筋肉を鍛えることが大切で、同時に骨盤底筋も鍛えられ、膀胱まわりの血流
もよくなるということから、スクワットが良いと言われています。何の道具も費用もかか
りませんので、ためらうことなくすぐに始めてみましょう。
また、同じく安上がりの方法として、青竹踏みも良いと言われています。足の裏には膀胱
をはじめさまざまな臓器のツボがあり、そこを刺激することで膀胱が活性化されて膀胱の
容量も増えることによるものと言われています。
どちらも、1日に2回、スクワットは1回につき10回程度、青竹踏みは1回につき2分
程度を1~2カ月継続するつもりでやってみて下さい。
そしてもう1つ、加齢による膀胱機能の低下やホルモンバランスの乱れによる排尿コント
ロールなどの改善には、昔から定評のあるのが漢方薬の八味地黄丸です。医薬品ですので
サプリメントなどとは違って、ハッキリと効果・効能が認められています。こちらは、少
し費用がかかりますが、本気で治したいという気持ちがあるなら、やはり多少の出費は仕
方ないのかなと思います。
八味地黄丸は、他にも、かすみ目、下肢痛、高血圧にともなう頭痛、肩こり、耳鳴りなど
にもその効能・効果が認められていますので、ある程度の年齢になれば、服用してみても
決して損にはならないと思いますが。
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