高齢者に多い温度差による血圧変動・ヒートショックの予防法

高齢者に多い温度差による血圧変動・ヒートショックの予防法

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1.ヒートショックとは

ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が変動することで危険な症状が起きるこ
とを言います。よく知られているのは「冬場の風呂」ですが、暖かい部屋から寒い脱衣所
へ、そして再び温かい浴室へ移動という急激な温度変化によって起こるもので、失神・心
筋梗塞・脳卒中などがよく起きる症状です。

     

いずれも、急を要する状態に陥っているのですが、風呂場でのヒートショックは発見が遅
れる傾向にあるため、非常に危険な場合が多いのです。

一般的に、ヒートショックは高齢者と考えられていますが、それは若者に比べて血管や心
臓の機能が低下しているためで、決して若者には起こらないという意味ではありません。

実際に、高齢者の心筋梗塞や脳卒中のようなリスクは低いですが、ときどき若い人が風呂
で溺死というニュースを見ることがあります。漫画チックな感じもしますが、実はこれこ
そが、急激な温度差による血圧の変化による失神である場合が多く、誰にも気づかれるこ
ともなく溺死してしまうということなのです。溺死のすべてがヒートショックというもの
でもありませんが、若い人にヒートショックは起こらないという油断も原因の1つです。

そして油断と言えば、夏のヒートショックがあります。ほとんどの人は、ヒートショック
は冬というイメージがあり、冬にはそれなりの用心をしている人でも、夏には油断してし
まいます。ところが冷房の効いた部屋から暑い場所に出たときとか、暑いときに冷たいシ
ャワーを浴びたりしたときにも起こります。

つまり、ヒートショックとは、年齢や季節に関係なく、誰にでも、一年中起こる可能性が
あるということなのです。

2.ヒートショックの予防

ヒートショックは、1年中、誰にでも起こる可能性がありますが、確率としては、やはり
冬場の高齢者に多く起こります。年齢的には65歳以上(特に75歳以上)に多く起こる
と言われています。加齢や長年の生活習慣による血管の老化(動脈硬化)も進行していま
すので、血管にかかわるヒートショックのリスクが高くなるのは当然ですが、予防すれば
ある程度は防げるものでもあるのです。

予防法としては、急激な温度差をなくすことです。まずは、冷暖房の効かせすぎに注意す
ること。脱衣所・トイレなど温度差が生じるところは要注意です。衣類の着脱は暖かいと
ころで行なう。私はハンディタイプの電気ストーブを持ち運んであちこちで使っています
が、これが重宝しています。

             

次に、お風呂の温度は、最初はやや「ぬるめ」に設定して、徐々に上げていくようにする
のがおすすめです。湯船に入るときも、出るときも、ゆっくりを心掛けるようにします。

また、高齢者の入浴は、浴室が温まっている2番目以降にするか、浴室がよく温まるのを
待ってから入るようにしたりして、浴室と部屋の温度差を少なくすることが大切です。人
の体温が安定する時間帯は16時から19時とも言われていますので、この時間帯に入浴
をするのも良い方法です。

他にも、飲酒習慣のある人は、入浴後にしたり、高齢者の入浴中にはときどき安否確認を
する、転倒予防に手すりをつけるなど、万が一の場合に備えることを心掛けましょう。

浴室や脱衣所と同じく、トイレも注意すべき場所になりますが、ここも暖房設備をつける
ことができればベストですが、そうでないときは電気ストーブなどを使って、できるだけ
温度差を少なくするようにしましょう。可能であるなら、高齢者の寝室はトイレの近くに
設定するのも1つの方法です。

そして、もっとも大切なことは、ヒートショックについて、家族の全員が知っていて、そ
れぞれに注意を喚起し合うことです。


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