1.加齢と高血圧の関係
元気な高齢者は血圧が高いと言われていますが、実際に、年齢とともに血圧が上がるのは
生命維持のための自然の原理なのです。例えば、血管を考えてみても、高齢になると若い
頃より老化(動脈硬化)します。つまり、弾力やしなやかさが衰えている血管を使って全
身に血液を届けるためには、それだけ大きな圧力(高血圧)が必要になります。
しかし、現代の血圧の基準値は、若い人も高齢者も同じで、その基準も若い人に寄った数
値になっているため、高齢者のほとんどが高血圧と診断されるようになっています。
昔は、年齢プラス90というのが適性血圧とされていました。つまり60歳なら150m
mHgが最大血圧の目安だったのです。今でもそれで良しとする医師も多くいます。
ところで、血圧が基準値を少し超えたら、何が問題になるのでしょうか?
以前は、脳内出血など血管が破れる病気につながる恐れがあるとされていて、実際、戦後
の食糧事情が悪い頃にはそのようなことも多く発生していました。しかし、現代ではそれ
は少数と言われるほどまでに減っています。
むしろ増えているのが、薬で血圧を下げることで血流が悪くなり、必要な栄養や酸素が全
身に行き渡らなくなって、倦怠感、肩こり、息切れなどの症状が起きたり、一番高いとこ
ろにある脳に十分な血液が届かないことで、脳の機能が低下して、うつ病や認知症などの
リスクさえ高めていると言われています。また、降圧剤そのものも脳梗塞になる危険性を
倍増させているという報告もあります。
なので、他に高血圧による障害の恐れがある人は別として、単純に健康診断で基準値を少
し上回ったからと言って、脳卒中などの予防のために血圧降下剤を飲むというのはいかが
なものでしょうか。
もちろん、過去に脳内出血を起こしたことがあるとか、血管に障害がある人とか、最大血
圧が常に200mmHg以上とかいう人は、降圧剤の使用も必要ですが、普通に年齢プラス
90というレベルでは、それほど深刻に考えることでもないのかなと思います。
2.高血圧の原因を知る
加齢により、自然に血圧が上昇する分には、むしろそれは健康な身体の証でもあるのです
が、必要以上に高い場合は、やはりその原因を知って、できる範囲で対策を考えることは
意味があります
とは言っても、健康診断で1~2回測定して結論を出すのではなく、1週間程度は1日に
複数回測り、そのなかで最も低い値をその日の血圧と考えれば良いのです。そして、極端
でなく、やや高いかなと思う時は、散歩をしてみるとか、よく眠って疲労を回復するとか、
ストレスを解消するといったちょっとしたことでも、血圧は良い状態になります。
年齢プラス90程度までなら、むしろ血圧が高くなる原因(運動不足による肥満など)を
解消して、健康的な生活をすることの方が合理的な選択になります。
ただ、なかなか現在の生活習慣を変えられないというような人は、血圧そのものより、動
脈硬化を予防する方向から血圧を考えるという方法もあります。動脈硬化予防でよく知ら
れているのがヘルスオイルです。個人的には、血圧降下剤を飲むよりは遥かに建設的だと
思いますが、各自の価値観の問題でもありますので、ご参考までに。
結論として、血圧は「年齢プラス90」を最大血圧の目安とし、多少の変化にはあまり神
経質にならないこと、ただし、良くない生活習慣など思い当たるところがあれば、できる
だけ改善して良い血圧状態を保てるように心掛けることです。
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