動脈硬化の原因とは
動脈硬化とは、ゴムのホースが劣化してもろくなって行くように、人間の血管が加齢とと
もに劣化（老化）して、硬く、もろい状態になっていくことをいいます。ということは、
原因は老化だから、どうすることもできないと考えるかも知れませんが、実は、一般的に
動脈硬化が問題になるのは、加齢以外の原因による、比較的若い世代に起こる動脈硬化の
ことです。
健康診断で、悪玉コレステロール（ＬＤＬコレステロール）が増えすぎと指摘されたよう
なとき、それは、気をつけないと、将来的に動脈硬化が進行します、という意味なのです。
この悪玉コレステロールと呼ばれる物質は、肝臓で作られたコレステロールをを全身に運
ぶ働きをしています。つまり、血管を道路と考えると、傷んだ道路を補修するための材料
（コレステロール）を運ぶトラックがＬＤＬということになります。
しかし、必要以上に材料ばかりが増えると、補修どころか、道路が塞がれて邪魔になって
しまいます。これがＬＤＬコレステロールが多いという状態です。
一方で、この余分に運ばれ過ぎた材料（コレステロール）を回収する空のトラックがＨＤ
Ｌ（善玉）と呼ばれるもので、余分なコレステロールを回収して事故（病気）を防ぐとい
う意味で善玉と呼ばれているのです。
実際の問題として、補修材（コレステロール）を運ぶＬＤＬも、余分な補修材（コレステ
ロール）を回収するＨＤＬも、どちらも必要なものですが、多くなりすぎると良くないと
いうことなのです。
ただ、ＬＤＬが増えすぎると、道路上に補修材が山積みされている状態で、ちょっと想像
してみるだけで、それは問題になりそうですが、逆にＨＤＬが増えすぎた場合はどうかと
いうと、高ＨＤＬ血症という病名がありますが、この場合はかなり稀で、ＨＤＬそのもの
がどうかというより、なぜそういう状態になったのかということの方が問題で、高ＨＤＬ
血症そのものの治療ガイドラインも存在しない状態です。まぁ、放置しても良いというこ
とですが、その症状が出る原因を調べる必要はあります。
話を戻しますと、悪玉コレステロールが増えると、血液の流れの邪魔になるだけではなく、
血管の壁に入り込むと、壁がどんどん厚くなり、弾力性がなくなり、コブ（プラーク）が
できたりして、血管の内側が狭くなり、劣化して行きます。これが加齢（老化）以外にも
動脈硬化になる原因とされています。
動脈硬化による影響
加齢による動脈硬化などで、血管が硬くなるだけなら、それほど大きな問題もないのです
が、コレステロールによって動脈硬化が進むと、そこにできたプラークが破れたりすると、
血小板で修復されることになります。つまり、かさぶたができることになります。これが
血栓と言われるもので、血流の妨げになるだけではなく、場所によっては脳梗塞や狭心症、
心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などのリスクが高くなります。
動脈硬化の予防・改善
動脈硬化の予防・改善には、まずは、生活習慣の見直しです。特に、食生活には気をつけ
る必要があります。と言うと、レバーや卵など、コレステロールの多く含まれる食品と考
える人が多いですが、それよりも総合的に食べ過ぎないことです。また、運動によって、
肥満やストレス解消を心掛けるようにします。どちらも、コレステロールを増加させる働
きがあると言われています。
また、喫煙習慣のある人は、たばこを止めるだけでも、かなりの効果が期待できます。た
ばこは、悪玉コレステロールを増やすことはありませんが、血管にたまりやすくさせる性
質がありますし、善玉コレステロールを減らす作用もありますので、動脈硬化の改善には
ぜひ考えたいところです。
そして、やはり揚げ物やインスタント食品、ケーキや駄菓子など、油類を多く使う食品は
減らすようにし、野菜、海藻類などを増やすことが大切です。
一度に全部は無理かも知れませんが、とりあえずは、できることから改善することが動脈
硬化を予防するための第一歩です。もうすでに、高コレステロールを指摘されているよう
な人は、血中のコレステロールを下げる働きがあると言われているヘルスオイルがおすす
めです。サプリメントなどと違って、医薬品として認められていますので、それなりの効
果は期待できます。
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