1.男性の頻尿の原因
頻尿という言葉はほとんどの人が知っていると思いますが、その概念がわかりにくく、一
応、朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上とか、夜間の排尿回数が2回以上とかい
う定義もありますが、実際のところは、自身の感覚でトイレに行く回数が多いと感じる場
合に頻尿ということが多いようです。
そして、ある程度の年齢(中年以降)になると、その頻尿の原因が、男性の場合は前立腺
肥大症、女性の場合は過活動膀胱とされることが多いようです。確かに、その年齢になる
と、さまざまな要因のなかでも一番大きく関係してくるのが老化現象で、前立腺肥大症も
過活動膀胱もそのなかの1つの症状であることから正しいということになります。
では、男性は過活動膀胱にならないのかと言えば、そういうものではありませんし、意外
に思われるかも知れませんが、過活動膀胱である男性も少なくないのです。ただ、男性の
頻尿=前立腺肥大症という固定観念が強いためか、頻尿を意識したら、その方面のサプリ
メントなどに向かう人が多いこともよく知られています。もちろんそれで改善されれば何
も問題はありませんが、思うような効果が得られなかった場合に、そのままあきらめてし
まう人も多いようです。
そのようなときに、思い出して欲しいのが過活動膀胱です。過活動膀胱は女性だけではな
く男性にも起こる病気です。一種の老化現象ですので、完全に治ることは期待できないま
でも改善は期待できます。
2.過活動膀胱の改善
過活動膀胱は日本人の約1割が経験しているという身近な病気で、膀胱に尿が少ししか溜
まっていなくても、勝手に収縮して排尿したくなるという病気です。なので、一回の尿量
は少ないのですが、昼夜を問わずトイレに行きたくなり、トイレまで間に合わずに失禁し
てしまうこともあるというタイプの症状です。
ただ、過活動膀胱は脳や脊髄の病気が関係している場合もありますので、他にも気になる
症状がある場合は、頻尿より先にそちらの診察を受けてみることをおすすめします。
過活動膀胱を改善するにはどうすれば良いかということですが、まずは生活スタイルを変
えてみることです。特に生活習慣病を招くような生活は変える必要があります。そして、
膀胱を刺激する可能性のある飲み物(カフェインやアルコール飲料など)を控えることで
す。また、ストレスによる自律神経の乱れなども原因になっていることもありますので、
思い当たるところのある人は、自分なりの対策を考えましょう。
過活動膀胱は加齢現象の1つでもありますので、その方面からも何か対処したいという人
には六味丸をおすすめします。下半身の老化や衰弱を補い腎気を強める漢方薬とされてい
ますので、頻尿以外の加齢による症状の予防・改善にも効果が期待できます。
それ以外にも、自分でできる頻尿対策としては、尿をがまんする時間を少しずつ延ばすこ
とで膀胱の筋肉をトレーニングしたり、膀胱周辺の筋肉(骨盤底筋群)の筋力を強化する
ようにしてみましょう。骨盤低筋の鍛え方の基本は、両足を肩幅程度に開き、尿道・肛門
・膣をキュッと締めたり緩めたりする動作を数回繰り返します。慣れてくれば、締める時
間を少しずつ延ばすようにします。
まずは、何からでもすぐにできることから始めてみましょう。
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