１．便秘になる理由
便秘と言うと、一般的には「何日出ない」ということが基準になるようですが、実はそれ
より「排便量を十分に、快適に排出できない状態」に注意すべきなのです。
つまり、数日に１回でも、排便がスムーズでスッキリ感があれば、それは便秘とは言いま
せんし、逆に毎日排便があっても、腹部に違和感があったり、残便感があったりして、気
分的にスッキリしないような場合は便秘ということになります。
要は、排便後に不快感があるかどうかが「便秘」の基準になるのです。
食べ物が摂取されてから排出されるまでの時間は、普通は２４時間から７２時間と言われ
ていますが、スムーズな排便のためには、それぞれの消化器官が健全な活動をしている必
要があります。もし大腸の働きが鈍くなっていると、便の通過速度が遅くなりますので、
水分がそれだけ余分に吸収されてしまうため硬くなってしまいますし、逆に大腸の働きが
活発すぎると、便の通過速度が早くなり、水分の吸収が不十分になり、いわゆる軟便や下
痢になる可能性が高くなります。
便秘や下痢という場合、たいていの人は「腸」の働きが悪いということに気付いていると
思いますが、その腸の状態（腸内環境）は腸内細菌によって保たれていて、そのバランス
が崩れると腸内環境が悪化して便秘を招くことになるのです。
なので、便秘を治したいと思ったら、まずは腸内細菌のバランスを整えることが大切で、
腸内環境が整えば、便秘も自然に解消されることになります。
２．便秘の解消方法
便の材料は食べたものですから、まずは食生活を見直してみましょう。不規則な食事時間
やダイエットなどによる食べものの摂取不足は便秘と直結していますので、規則正しい食
事時間と、インスタント食品やファストフード的な食べ物を控え、食物繊維を多く含む食
事内容に変えてみることから始めてみましょう。
また、朝食を適当に済ませたり、抜いたりする人も多いですが、実はこの朝食は、眠って
いる大腸を目覚めさせ、排便を促す絶好のタイミングなのです。毎日、朝食をとり、便意
の有無にかかわらず、トイレに行くことを習慣化してみましょう。
次に、水分が不足すると便が硬くなるという理屈は理解できると思いますが、一気に大量
に水を飲んでもあまり効果はありません。１日中こまめに少しずつ水分を補給するように
しましょう。
そして、便意があればガマンしないことです。ガマンを繰り返していると、直腸の反応が
鈍くなって、自然な便意が起こりにくくなるからです。
更に、デスクワークの人に多いのですが、１日中座りっぱなしで、体を動かさないと、腹
筋が衰え、便を押し出す力が弱くなってしまいます。運動をしない高齢者に便秘が多いの
はこのためと言われています。
最後はストレスです。旅行に行くと便秘になるという話を聞くことがよくありますが、こ
れは、慣れない環境に置かれることで身体が緊張して、自律神経が乱れることで便秘にな
るという状態で、ほとんどの人が経験したことのある代表的な例です。
以上のようなことを、どれだけ真剣に取り組むことができるかで、腸内環境も大きく変わ
りますが、腸内環境と言えば乳酸菌飲料を飲むことなどと考えているようでは、腸内環境
の改善はまだまだ先の話です。それよりも総合的に腸内環境を改善する方法として、規則
正しい食生活、水分補給、軽い運動、ストレス解消といったことに真剣に取り組むことで
す。その上で、必要なら、善玉菌のエサになるようなサプリメントなども併用することが
おすすめの方法です。
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