便秘に食物繊維の意味
便秘には２つの種類があって、旅行などいつもと違った環境に置かれた時などに、一時的
に起こる便秘を「急性便秘」といいますが、これは生活が元にもどれば便秘も自然に解消
するので、悩みというところまではいかないのが普通です。
一般的に便秘と言われるのは、不規則な食生活や運動不足など日常生活が原因になって起
こる「弛緩性便秘」、ストレスや自律神経の乱れが原因で起こる「痙攣性便秘」、大腸の
炎症などが原因の「疾患性便秘」などの「慢性便秘」のことを意味します。
この中でも、「弛緩（しかん）性便秘」が、女性を中心に便秘の悩みとして取り上げられ
ることの多い便秘です。女性に多いということからも想像がつきますが、ダイエットなど
による食生活が大きくかかわっていて、胃腸の働きが鈍化することが原因の便秘です。
その症状は「肩こり」「頭痛」「腹部膨満感」「肌荒れ」「吹き出物」などがありますが、
放置すれば「高血圧」や「肝臓病」など生活習慣病をはじめガンを誘引するなどの弊害も
ありますので、たかが便秘と侮らないことです。
ところで、便秘には「食物繊維」を摂取することを勧めている人をよく見かけますが、便
秘が食物繊維を摂取することで改善したという人はどれくらいいるでしょうか？
確かに、水溶性食物繊維は便の中に溶け込み、便を軟らかくして腸内の通過を良くします
が、もうすでに固まってしまった場合にはあまり効果がありません。また不溶性の食物繊
維は腸のぜん動を活発にして便を押し出す働きがあると言われていますが、コロコロ便を
作る主役でもありますので、「効果」より「悪化」させることの方が多いのです。
つまり、食物繊維の効果とは便秘改善ではなく、改善後の「便秘予防」としての効果が高
いということなのです。
便秘を改善するためには
便秘に関する情報のほとんどは、便秘改善ではなく「便秘予防」に関するものです。「食
物繊維摂取」も「規規則正しい食事」も「発酵食品」も「抗酸化作用のある食材」も、す
べて便秘が解消した後に、将来の便秘を防ぐための方法なのです。
では、すでに固まってしまった便秘を解消するにはどうしたら良いのかということですが、
便秘は水分が不足している状態ですので、とりあえず朝起きたら「コップ１杯の水や牛乳」
を飲むことから始めます。
もちろん、朝食はしっかり食べます。朝食は１日３食のうちの１食という以上の意味があ
ります。寝ている間に溜まった老廃物や有害物質を体外に排出させるという役割を持って
いますし、朝食後には便意をもよおすことも多いので、朝食は習慣化することが大切です。
次に、便秘になったら、「香辛料」「炭酸飲料」「適度なアルコール飲料」などの腸を刺
激して排便を促すような食品を摂取しましょう。当然ですがアルコール飲料だけ大量に増
やすなんてのはダメですよ。（笑）
そして、軽い運動も取り入れるようにしましょう。
それでも変化が見られない場合は、「下剤」に頼りたくなるかも知れませんが、そもそも
下剤というのは「便が大腸を移動するスピードを上げる」ためのもので、固まった便を排
出するものではありません。その最悪のケースが「便が出ないのにお腹がゴロゴロとして
違和感」だけがあるという状態になることです。
下剤を飲むくらいなら、他の格言的なご利益と同じく、便秘に関しても先人の知恵に従う
のが意外にも良い結果が得られることになります。
昔から便秘を初め万能薬として有名な「アロエ」です。意外かも知れませんが、ある介護
施設でもアロエを採用したところ入居者の便秘がかなり改善されたという実話が私の身近
にもありますので、下剤を飲もうと思うなら「アロエジュース」を飲んでみて下さい。
そして、首尾よく便秘が解消したら、いわゆる「食物繊維」などで便秘の予防をして、再
び便秘に悩むことのないようにすることです。
