1.クレアチニンが高い意味
腎機能の能力を推測する指標として使われるクレアチニンは、筋肉の活動から生じる血液
中の老廃物の1つです。老廃物ですから、体にとっては不要なもので、尿として排出され
ることになります。つまり、クレアチニンの数値が高いということは、腎臓の機能が低下
しているために、クレアチニンが排出されにくく体の中に溜まっているという解釈から、
腎機能が低下しているということになっているのです。

しかし、クレアチニンが高い=腎臓が悪いということにはなりません。腎臓機能の測定に
は、他にもeGFR、シスタチンC、尿タンパク、腎臓エコー検査などの結果を総合して
判断されることになっています。
クレアチニンの基準値は、0.6~1.2mg/dLとされていますが、実際に症状として
現れてくるのは3倍くらいの値になってからで、むくみや貧血、倦怠感などの症状が見ら
れるようになります。ただ、そのような症状が出るときには、すでにかなり重症の状態で
あることが多いので、クレアチニンの異常を指摘されたときには、なんの症状も自覚して
いなくても、一応の検査を受けて内容を知っておくことは無駄にはなりません。
eGFRとは、クレアチニンの値に「年齢」「性別」の要素を組み込んだクレアチニンの進
化版といったところです。 シスタチンCとは、筋肉量の違いによる修正をして正確値を検
出するものです。尿タンパクは尿検査でもおなじみの検査ですが、マイナスや+1、+2
といった簡易版ではなく、タンパク質のグラム数まで調べることになります。腎臓エコー
は、主に腎臓の形の異常を調べる超音波を使った検査です。
2.クレアチニンの改善方法
クレアチニンや eGFR検査の結果、数値が高いと診断された場合はさっそく治療になり
ますが、腎機能は一度悪くなると改善はしないというのが一般的な見解です。なので、治
療と言ってもクレアチニンを下げる方法はありませんので、今以上数値を上げないように
するということになります。

食事では、三食バランスよくが基本ですが、腎臓の負担を減らすことを意識するなら、減
塩・低タンパク質・カリウム制限・リン制限・高カロリーを心がけることです。
高カロリーはちょっと理解が難しいかも知れませんが、カロリー摂取が少ないと、腎機能
を維持するために筋肉(タンパク質)が分解されます。すると尿素窒素が生成されて腎臓
に負担がかかることになります。そこで、糖質や脂質を増やすことでカロリー不足になら
ないようにしましょうということなのです。
次に、日常生活では、ウォーキングなど軽い運動を定期的に行う、アルコールの過剰摂取
は控える、禁煙をする、十分な睡眠をとる、ストレスを溜めない、血糖値や血圧を上手に
管理することなどに注意して下さい。また、脱水状態も腎臓に負担をかけることになりま
すので、特に水分制限がない場合には、適切に水分補給を行うことも大切です。
プローチするという漢方薬の方法があります。私は、特に漢方推進派という訳ではありま
せんが、たまに感動するようなこともありますので、もう1つの方法として紹介しておき
たいと思います。