1.肥満と健康リスク
健康管理という言葉はいろいろなところで見聞きしますが、実際のところ何をどのように
するのかというところまでは教えてくれません。しかし、さまざまな病気の予防や改善と
いったところでは、多くの場合に取り上げられるのが「肥満」の解消です。なので、今、
健康のために何かをしようと考えていて、何から始めたら良いのか思案している人は、と
りあえずは肥満解消に取り組んでみると良いかも知れません。もともと痩せている人にも
肥満解消法が健康管理に役立つことが多いので、やってみる価値はあります。
肥満になる原因には、食べ過ぎ・飲み過ぎ・基礎代謝の低下・ストレス・不規則な生活・
睡眠不足などと言われています。つまり、肥満の予防・解消には、エネルギーの摂取量と
消費量のバランス(食事と運動のバランス)を調整することが中心のテーマになります。

現時点で、肥満傾向にあるかどうかを知る方法としては、18歳の頃と比べてウエストが
5cm以上増えた、肉類や揚げ物が好き、お腹いっぱい食べる、アルコールが好き、朝や
昼食を抜くことが多い、運動をしない、自分の体脂肪率に関心がない、といった人は肥満
になりやすい傾向にあります。
脂肪には「皮下脂肪(皮膚の下に蓄積する脂肪)」と「内臓脂肪(内臓のまわりにつく脂
肪)」があり、皮下脂肪はいわゆるオデブです。プロポーションの問題と内臓を圧迫する
ことによる弊害をもたらします。内臓脂肪はポッコリお腹と言われる脂肪のつき方で、や
せ型や普通体型の人にも中年以降に多く見られる脂肪のつき方です。こちらは生活習慣病
と関係の深い脂肪のタイプですので、特に30代以降の男性は注意が必要です。
2.肥満解消方法とは
肥満解消と言えば、思いつくのがダイエットという人が多いかも知れません。特に朝や昼
を抜いて夜だけしっかり食べるといった方法はよくありません。
食事を抜くということは、脳が食糧難の危機感を持つということです。すると、食べると
きはできるだけたくさん食べようとしたり、食べた物をできるだけ脂肪として蓄えようと
します。脂肪とは、食糧難に備えて体が自然に蓄える予備エネルギーのことなのですが、
現代は飽食の時代とか言われているような有難い時代ですので、その蓄えられた予備エネ
ルギーが使われないまま、どんどん新しく蓄積されている状態(肥満)なのです。
それ以上に食事を制限すれば、もちろん蓄積された脂肪がエネルギーとして使用されるた
め、肥満は解消されますが、その場合は脂肪だけではなく、筋肉量や骨量も低下してしま
います。つまり、また別の問題が出てきますので健康管理という点では正しくありません。

正しく肥満を解消する方法は、食事と運動による方法です。もっとも簡単な方法は、和食
中心で腹八分目とウォーキングなどの有酸素運動をすることです。
現代人の肥満の原因は運動不足と言われていますが、運動とはハードな運動のことではな
く「歩かなくなった」ことなのです。そして、手軽に摂れるインスタント食品やファスト
フードなどが中心になっていることが問題なのです。なので、肥満解消には何も難しいこ
とをする必要もなく、日本人は本来の和食中心の腹八分目と歩くことを心がけるだけでよ
いのです。毎日歩くことで筋肉量が増えると、基礎代謝が増えてエネルギー消費量も上が
りますし、血流も良くなって健康状態も良くなります。
つまり、肥満の悩みが消えるだけではなく、心身ともに健康な生活が戻ってくるというこ
とですので、試してみても損のない健康法ではないでしょうか。