1.マイコプラズマ肺炎の症状
マイコプラズマ肺炎とは、その名の通りマイコプラズマと呼ばれる細菌の一種が感染する
ことで起きる肺炎のことです。比較的若い人に多く見られる病気で、発症者の約80%が
14歳以下と言われています。

感染経路は飛沫感染と接触感染とされています。飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみの
しぶきを吸い込むことで感染することで、接触感染とは、病原体が付着したものに触れる
ことで体内に病原体を取り込んで感染することを言います。
肺炎と聞くと、冬のイメージですが、マイコプラズマ肺炎は1年を通して発症する可能性
があり、冬場には多少増えるといったところですの、一年を通して注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎は、感染後2~3週間の潜伏期間を経て、その後に発熱・倦怠感・頭
痛などの風邪と同じような症状が現れます。風邪の症状は数日で改善しますが、その後に
肺炎の特徴的な症状(咳などの呼吸器症状)が1カ月程度続くことになります。他にも、
胸や喉の痛み、声がすれ、下痢、嘔吐、皮疹などの症状が出ることもあります。
重症化すると、ゼイゼイいうような苦しそうな呼吸をしたり、中耳炎や髄膜炎、肝炎、関
節炎などの合併症を引き起こすこともあります。本来、子供に感染しやすい病気というも
のは、成人が感染すると往々にして重症化しやすいというのが定説ですので、特に成人し
てからマイコプラズマ肺炎に感染した場合は、安易に考えず、症状を見て重症化しそうな
場合には早目に医療機関を受診して下さい。
2.マイコプラズマ肺炎の対処
マイコプラズマ肺炎の初期症状は風邪とよく似ていて、重症化しなければ、そのまま自宅
療養でも問題ありません。ただし、咳や熱が1週間以上続く場合、息切れ、咳により眠れ
なかったり、食事がとれないような場合は、早目に病院へ行くようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎がなぜ子供に感染しやすいかと言えば、それは子供の免疫が大人より
弱いためです。そもそもマイコプラズマ肺炎の原因菌(肺マイコプラズマ)は、それほど
感染力の強いものではありませんので、免疫の弱い子供や免疫が低下している成人に感染
しやすいのです。ただ、子供が感染しても、多くの場合は肺炎にならず自然治癒しますが、
大人の場合は重症化しやすいのです。

マイコプラズマ肺炎の予防には、手洗い・うがい・マスク着用など、誰でも知っている風
邪予防と同じですが、大人の場合は免疫が低下するような環境を改善することも大切です。
免疫を高める生活とは、栄養バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠、ストレス
の解消、よく笑う、身体を温める、といったことが一般的に知られています。しかし、も
う1つ大切なことは、免疫を下げるようなことを避けることです。
生活が不規則、インスタント食品やファストフードを常用する、喫煙、過剰飲酒、といっ
たことが免疫を下げる生活習慣と言われています。免疫を上げる生活と下げる生活を一気
にやろうとしても、まずは続きませんので、気が付いたところから1つずつ修正していく
ことで、自然に免疫もアップして、健康的な生活ができるようになります。今すぐできな
くても、常に心にとめておくだけでも意味があります。