1.メノポハンドとは
更年期の症状としては「ホットフラッシュ」や「抑うつ」などは良く知られていますが、メノポハンド(更年期手)という症状に悩んでいる人も少なくありません。これは、更年
期以降に現れる手指の関節の痛みやこわばりなどの症状ですが、その原因はわからないと
されています(不定愁訴)。時期的にも、加齢によるさまざまな不調が現れてくる頃でも
あり、手指の痛みやしびれなどは「加齢によるもの」と甘く見られているところもありま
すが、健康相談ではホットフラッシュよりもメノポハンドの相談の方が多いという報告も
あります。実際、更年期症状のある女性の7割以上の人が「手指の不調」を自覚している
と言われています。

病院で診察を受けても、レントゲン画像で「変形」がなければ病名は付きません。いわゆ
る「不定愁訴」ということになってしまうのです。その場合の説明としては「手の使い過
ぎ」「年のせい」といったおおまかな内容になりますので、利き手でない方の指が変形し
たり、痛みがでたり、自分よりずっと高齢の人の手が普通の状態だったりするのを見ると、
さらに不安になるのだと言います。
では、メノポハンドとは何なのかということになりますが、この名称は「日本手外科学会」
によって作られた造語で、更年期以降に現れる手指の不調の総称です。手指の使い過ぎや
加齢による症状ではなく、女性ホルモン「エストロゲン」の低下によって引き起こされる
骨膜の炎症が原因とされています。
骨膜とは、関節や腱の周囲を覆う薄い膜で、関節が滑らかに動かせるような働きをしてい
ます。エストロゲンが減少して、この骨膜が炎症を起こすことで、指に痛みや強張りが起
きるということなのです。
2.メノポハンド対策
メノポハンドは、他の更年期症状(エストロゲンの減少で起きる自律神経失調症による症状)と違って、更年期が終わると解消されるというものではなく、骨粗しょう症のように
エストロゲンの分泌が低下することで起きる症状です。つまり、何らかの対策を考えなけ
れば、症状が悪化して、生活の質の低下を招く恐れもあるということになります。
まずは、更年期症状全般の対策として、エストロゲンによく似た働きをするエクオールを
サプリメントなどで補給するようにします。
次は、手の健康を保つためのストレッチの方法も書いておきますので、現在メノポハンド
の症状が「ある・なし」にかかわらず、ひととおり覚えておくと良いと思います。

最初に、肘と腕を伸ばした状態で、手首を反らす運動です。反対の手で反らすようにする
と楽にできます。ほどよいところで止めて10秒程度そのままの状態を保ちます。次に、
逆の方に反らして同じように10秒反らします。
次は、指の開閉運動をします。指と指の間をゆっくりと広げ、そのままの状態を5秒ほど
保ち、その後にゆっくりと戻します。
最後は、こぶしを握り、その状態から手の平を広げるように伸ばします。指先を伸ばした
状態から直角に倒します。
これらのエクササイズをそれぞれ5~10回程度行うようにします。
痛みやしびれの症状が気になる場合は、手外科専門医または整形外科医を受診してみまし
ょう。不定愁訴的な回答になることもありますが、何しに来たといったことにはならない
と思います。