肌の水分が不足する原因
肌の水分が不足する大きな原因は、「バリア機能の低下」と「肌細胞の保湿力の低下」と
言われています。
バリア機能というのは、表皮に分泌される皮脂と汗などが混ざりあうことで作られる皮脂
膜のことで、これが紫外線や大気汚染などの外的刺激から皮膚を守る働きをしていますが、
同時に皮膚の表面から水分が蒸発していくのを防ぐ役目もしています。
つまり、この皮脂が減少したりすることで、バリア機能が低下すると、肌の水分が失われ
ていくことになるのです。
そして、もう１つは、もともと肌の角層には「細胞間脂質」や「天然保湿因子（ＮＭＦ）」
という保湿成分が存在しているのですが、これらが減少することで肌の細胞の保湿力も低
下して乾燥しやすくなってしまうのです。
では、バリア機能が低下したり、保湿成分が減少する原因は何なのかということになるの
ですが、外気が乾燥する冬は肌も乾燥しやすいということは誰にでもわかることですが、
それ以外にも、ストレスなどによるホルモンバランスの乱れやエアコンなどの快適装備に
よる水分の蒸発など、気が付かないところでも体の水分は蒸発しているのです。
実は、この「気が付かない」というところが問題で、運動後などは汗をかいたら水分を補
給することは十分理解していても、気がつかないので水分補給そのものが不足しているこ
とも気付かず乾燥肌を作る原因の盲点になっています。
一方で、保湿成分が減少するのは「加齢」によるところが大きく、こればかりはどうする
こともできませんが、現代は保湿効果を高めたり、バリア機能を強化したりできる化粧品
などが入手できる環境にありますので、いつまでも年齢を感じさせない、若々しく美しい
女性が多くなったことは喜ばしいことです。
保湿効果を高める化粧品
保湿効果を高める成分として有名なのは、ヒアルロン酸やコラーゲンなどで、そのが代表
格として知られていますが、分子が大きすぎて肌に浸透しないとか、体内で分解されるの
で効果がないとかいう話もよく聞きます。
それは事実で、ヒアルロン酸は塗っても皮膚に浸透することはできませんので、潤いを感
じるというのは、皮膚の上にヒアルロン酸が乗っている時間が長いだけで、顔を洗うまで
の命ということになります。
コラーゲンは、摂取しても無意味ではありませんが、それが希望通りに役立つかというと
そういうものでもありません。髪の毛が薄くなったからと言ってタンパク質を大量に摂取
しても期待通りに髪が増えることがないのと同じですね。
じゃぁ、化粧品もダメじゃないか？と思われるかも知れませんが、これまでの保湿成分を
増やすということではなく、水分の蒸発を抑えるという発想の化粧品を使うのです。
つまり、バリア機能を強化し、皮膚表面に潤いを与えながら、内側の保湿成分も増やすと
いうタイプの化粧品があって、それを知っているかどうかで肌の状態はかなり違います。
もっとも、これまでは「ヘパリン」を含有した化粧品はほとんど開発されていなかったの
で、病院でもらう軟膏皮膚薬の１種として使う程度だったと思いますが、その特性を活か
した「ヘパリン類似物質」を化粧品用に開発し、医薬部外品として商品化したものです。
もちろん、化粧品用として作られていますので、ベタつきなど使用感は全然ちがいますが、
これまで軟膏を塗ったことのある人なら、クリームなどとの違いは歴然としていることは
容易に理解できますよね。
従来のヒアルロン酸やコラーゲンで納得できなかった人に、おすすめしたいと思います。
