血流と肌の関係
冬に肌が乾燥するという声をよく聞きますが、それは雨が少ないからという理由だけでは
ありません。もともと乾燥肌の人は保湿剤を塗るなどの対策をしている人が多く、特に空
気が乾燥していることだけが原因とは言えません。
冬のもう１つの乾燥肌の原因は、気温が低くなることにあります。気温が下がると、体の
毛細血管が収縮して血行が悪くなるため、皮膚の栄養が不足することになります。そこに
空気が乾燥することで、皮膚への影響が大きくなるのです。女性の場合は、冷え体質の人
が多いので、もともと毛細血管の血流が悪い場合が多く、それだけ肌乾燥やひび割れ、あ
かぎれなどの症状が出やすくなります。
このように書くと、若い女性は顔の肌荒れのことと思うかも知れませんが、中年以降にな
ると少し違っていて、もちろん顔の肌トラブルも気にならない訳でもないでしょうが、そ
れ以上に悩ましいのが、足のかかとや手などのひび割れ・あかぎれの方かも知れません。
ひび割れも肌乾燥の１つですが、夏でもない限り、足はあまり人目に触れることはありま
せん。しかし、かかとのカサカサはストッキングを破いてしまったり、ひどくなれば割れ
て痛みも生じます。主婦の肌荒れの悩みはむしろこちらの「かかとのひび割れ」や「手荒
れ」などの方が深刻かも知れません。
かかとのカサカサの原因は、空気の乾燥や気温の問題に加齢による新陳代謝の低下も加わ
ります。特に中年期から、急に太ったり、体が冷えやすくなったというような変化を感じ
ている人は、加齢による血行不良が関係していることが多いのです。
つまり、肌のターンオーバーが乱れている上に、空気の乾燥、気温の低下という条件が重
なることで、より肌が乾燥してしまうのです。しかも、人目につかないため、それほど入
念なケアをしていない場所ということも、症状を悪化させてしまう原因になります。
冬の肌荒れ対策
血流を改善するもっとも手頃な方法は運動をすることです。ウォーキングや足ふみなど、
まずは体の負担が少ないものから始めてみましょう。血流改善のためには激しい運動をす
る必要はありません。とりあえずは体を動かす習慣をつけることです。
次に、体を冷やすような食べ物を控え、温まるような食品を増やします。具体的には、ビ
タミンＥ、ビタミンＢ、クエン酸、辛み成分、ポリフェノールを含むものになります。も
ちろん、バランスのとれた食事を心掛け、その上での血流改善の強化食品ということです。
食事は自分で作る訳でもないので難しいという人は、このあたりの栄養素をパックしたよ
うな血流対策サプリメントもありますので、それを活用しましょう。
そして、冷え性の人はすでに実践していると思いますが、湯船に浸かってしっかり温まる
ような入浴をしたり、体を冷やすようなことは控えるようにします。
更に、ストレスを減らす、タバコは控える、十分な睡眠をとる、規則正しい生活をするな
ど、普通に健康的な生活をすることですが、体を冷やさない目的で体を締め付けるような
服装をしている人は、逆に血行が悪くなりますので注意が必要です。
また、近年は冷房設備が整っているため、夏場から体が冷えて血行不良になっている人も
多く、自覚している人は寒くなる季節以前の問題として、血流の改善を意識する必要があ
ります。そのような環境にある人は、できるだけ外に出て歩くことから始めてみましょう。
血流の改善は、一気にすべてをやろうとするより、少しずつでもできることを継続する方
が効果がありますので、無理のない範囲で行うようにして下さい。
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