１．白内障と症状
白内障とは、加齢により、目の水晶体が白く濁ることで、視力が低下する病気ですが、加
齢によるということは、老化現象という意味であり、高齢になればほとんどの人に発症す
る病気ということになります。
実際、６０代では過半数、７０代では約９割、８０代ではほぼ１００％とも言われていま
すので、長生きすれば誰にでも発症する病気です。
白内障になる原因には、加齢以外にも先天性、外傷性、全身疾患の合併によるものなども
ありますが、加齢性によるものが全体の９０％以上と言われていますので、やはり、加齢
性（老人性）の病気と考えるのが一般的です。
そこで、加齢により水晶体が白く濁ると、どういう症状が現れるのかと言うと、目のレン
ズの役目をしている部分が白く濁る訳ですから、目に入る光は乱反射することになります。
ちょうど、車のフロントガラスがホコリだらけで運転しているような感じですが、光が乱
反射すると「眩しい」と感じるようになります。さらに、進行してくると、視界がかすん
だり、物がぼやけて見えるようになります。
つまり、視力が低下することになるのです。しかし、老人性白内障は水晶体の周辺部から
濁り始めるため、瞳孔が小さくなる明るい場所では、あまり変化を感じませんが、瞳孔が
大きくなる暗いところでは、見えづらいと感じることが多くなります。
また、老眼になると、老眼鏡をかけることで、手元の物や細かい文字も見えやすくなりま
すが、白内障が加わると、老眼鏡をかけても症状が改善されないということも経験するよ
うになります。
このような初期の症状を覚えておくことで、白内障を早く察知して、できるだけ進行を遅
らせるようにすることが、現時点での白内障の対処法であり、予防法でもあるのでです。
２．具体的な予防法
高齢になれば、程度の差はあれ、誰にでも発症することが分かっているのですから、でき
るだけ早くからそのことを意識した生活をするのが、最高の予防法ということになります。
老化の原因と言えば活性酸素を思い浮かべる人も多いかも知れませんが、目も例外ではあ
りません。従来は、紫外線や食生活がその中心的な要因でしたが、現代社会では、パソコ
ンやスマートフォンが日常的になっていて、モニターから発せられるブルーライトも大き
な要因になっています。
できるだけ、ブルーライトカットメガネなどを活用して、目を守ることから始めてみまし
ょう。また、老化を促進するとされている、食生活の乱れや運動不足など、生活習慣を改
めて、生活習慣病（特に糖尿病）を予防することが大切です。
本来、人間の体には、活性酸素を抑制する抗酸化作用が備わっていて、目に関して言えば、
ルテインやゼアキサンチンという成分が、水晶体や黄斑部に多く存在することで、その役
割をしています。日常的にパソコンやスマートフォンのモニターを見ることが多い人は、
年齢に関係なくサプリメント
などで、この種の成分を補給しておきましょう。
他にも、ポリフェノール、ビタミンＣ、ビタミンＥなどの積極的な摂取がおすすめです。
また、意外かも知れませんが、日本では古くから、自然の目の薬として利用されてきた植
物があります。その名もズバリ「目薬の木（メグスリノキ）」という日本にしか存在しな
い樹木ですが、江戸時代には目の治療薬として中心的な役割をしていました。
お茶として手に入りますので、将来の目の健康のためにも、できれば今から飲み始めてみ
るというのも、別バージョンの白内障予防法としておすすめできます。スッキリとした味
で飲みやすく、紅葉時を思い出す美しい色合いのお茶は、最短で習慣化できる類のものか
も知れません。
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