1.風に当たると涙が出る原因
寒いときや、風に当たると、やたら涙が出るという経験をしている人は多いと思いますが、
ほとんどの場合は、乾燥性角結膜炎(ドライアイ)の症状です。
本来、涙は少しずつ分泌され、目の乾燥を防いだり、栄養を運んだり、異物を洗い流した
りして目を守る働きをしているのですが、加齢やパソコン・スマホの見過ぎ、コンタクト
レンズの普及などにより、涙の分泌量が減ったり、涙の成分のバランスが変わってしまう
ことが原因で、目が乾くとか目に異物感があるといった症状が起こります。これがドライ
アイという症状です。
涙が出るという症状とは矛盾しているようですが、実は、寒い時期や風に当たると涙が出
るという症状もドライアイの症状の1つとされています。角膜の表面が乾燥してくると、
体(眼)は一時的に多量の涙を出そうとします。ところがこの場合の涙(過剰分泌)は角
膜表面にとどめておくことが出来ない量なので、涙が出るという症状になるのです。
寒いだけではなく、風の強い日や自転車などに乗っているときなどにもこの症状は現れや
すいと言われています。乾いた目の表面に風が当たることが刺激となって涙を誘発するた
めです。
他にも、涙目になる原因としては、涙点狭窄症という涙点が小さくなる病気や、鼻涙管閉
鎖症という涙の通り道自体が詰まってしまう病気もありますが、とりあえずはドライアイ
という判断で、セルフケアをしてみるといことかなと思います。
2.ドライアイのセルフケアとは
ドライアイの人は、普通の人より目元の温度が1度低いということがわかっています。そ
こで、まずは目元を温めることから始めてみましょう。もっとも簡単な方法はホットタオ
ルで目元を温めることですが、お休み前のアイマスクもかなり温め効果はあるようです。
目を温めることで、目元の緊張が緩み、涙の分泌を促進することになりますし、涙の中の
油分を増やす効果もありますので、目の乾燥を防ぐことにつながります。
パソコンやスマホを日常的に使っている人は、まばたきトレーニングをすると効果的です。
2秒間目を閉じて、2回軽くまばたきをして、更に2秒間ギューっと目を閉じて、パッと
目を開くといった感じで5回ほど繰り返します。1日に何回というものでもありませんが、
定期的に1~2時間ごとにできれば、自然なまばたきの習慣がつくようになりますので、
しばらくは意識して行なうことをおすすめします。
車を運転するような仕事の人は、定期的にまばたきというのも難しいかも知れません。そ
のような場合は、目薬も役に立ちますが、近年はハンディミストという優れたアイケア用
品もありますので、それを活用するという方法もあります。
そして、空気が乾燥するような寒い日は、汗をかかないし、トイレが近くなるという理由
で水分不足になっている人も少なくありませんので、特にドライアイだけの問題でもあり
ませんが、適度に水分補給もして下さい。涙も基本は水ですので、無関係ではありません。
最後に、マイボーム腺機能不全です。涙の蒸発を防ぐ「脂」を分泌する皮脂腺ですが、こ
こが機能していないことが原因でドライアイになっている人も多いと言われています。ア
イラインなどで目の扱い方の上手な女性なら良いのですが、上下のまつ毛の生え際を綿棒
などで優しく拭き取るようにします。不慣れな人は、眼球に傷をつけてしまう恐れもあり
ますので、洗う程度にしておきましょう。
それ以外の病気によるドライアイは、眼科医で診てもらいましょう。
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