1.牛乳と骨の関係
少し前までは、牛乳にはカルシウムが豊富に含まれているとして、骨や歯を強くする代表
的な食品とされていました。ところが、近年の研究では「牛乳を飲むと骨が強くなるどこ
ろか、むしろ弱くなる」とか、「牛乳を飲みすぎると、死亡率が高くなる」といった、真
逆の説を唱える論文が多数現れて、しかも、それらを実証する研究データが「骨を強くす
る」という従来の説を証明するデータを上回っているということなのです。
もちろん、これらの研究データは欧米でのものが多いので、日本人に完全に当てはまるか
というと、そういうものでもありません。1920年代の科学者は、高タンパク食がカル
シウムを失わせる原因になるということを突き止めていて、実際に高タンパク質の食事を
与えた若者の尿からは、2倍のカルシウムが排出されていることがわかっています。
実際のところ、ベジタリアンというタイプの食事をしている女性の80歳での骨のミネラ
ル消失量は18%、肉食中心の女性は35%と言われていて、タンパク質の摂取量が多い
ほどカルシウムの消失量も多く、特に動物性タンパク質の影響が大きいとされています。

しかし、日本人に関しては少し違います。牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロするという人が
多くいますが、実は、日本人は牛乳を消化することに不向きな体質なのです。つまり、ど
んなに牛乳を飲んでも、カルシウムが分解されて吸収されることがなく、そのまま排泄さ
れてしまうことが多いということなのです。
なので、牛乳を飲むと骨が強くなるとか弱くなるとか、死亡率が上がるとかいう問題は別
にしても、骨粗しょう症の予防や改善のために、大量に牛乳を飲んでも、日本人にはあま
り意味がないということなのです。
2.日本人の骨折予防
そもそも、日本人が牛乳を飲むようになったのは、戦後のアメリカの政策によるもので、
学校の給食などにパンや牛乳が導入されて、アメリカの小麦や乳製品の消費国に作り上げ
られた結果です。
ただ、現実の問題として、骨粗しょう症になって、骨折をしている人がたくさんいること
も事実ですので、牛乳の問題はともかくとして、カルシウムは摂取して骨折予防を考える
必要があります。牛乳の好きな人は、カルシウムを期待しないで、飲み過ぎないように飲
めば、それほど問題になることもないと思いますが、飲み過ぎは死亡率が上がるというデ
ータもありますので、真偽のほどはともかく、敢えてそれに挑戦する意味はありません。

では、日本人の骨粗しょう症・骨折対策はどうすれば良いのでしょう。それは、和食中心
の生活に戻ることです。和食には、小魚や野菜、海藻などカルシウムを多く含む食材がた
くさんあります。汁物も、現在の添加物だらけの粉末ダシなどではなく、天然の小魚や昆
布、椎茸などを使ったもので作るようにしましょう。
そして、もう1つ大切なことは、乗り物でなくても行けるようなところへは、できるだけ
歩くことを習慣化することです。骨は必要な栄養と適度な刺激がなければ丈夫になりませ
ん。時間に余裕のある人はウォーキングがおすすめです。
リポリ食べていますが、これはカルシウム不足を自覚している人にはおすすめの一品です。
骨の健康を考えるようになったら、日本の伝統的な生活スタイルを思い出してみると、い
ろいろ参考になることが多いですよ。