1.虚血の代表的な症状
医学の世界では、特に難解な言葉でもないのに、意味がよくわからないということがよくあり、その中の1つに「虚血」があります。文字を見れば何となくイメージできるかも知
れませんが、臓器や体の組織に必要とされる血液がうまく流入しないような状態のことを
虚血と言います。
私たちの体を構成する組織の細胞は、血液によって運ばれた酸素でエネルギーを産生して
います。この酸素が不足すると、乳酸などの嫌気性代謝産物が蓄積するものの、エネルギ
ーの産生は可能な状態ですが、虚血で血流が低下すると、それもできなくなってしまいま
す。つまり、低酸素状態よりも短時間で細胞が壊死してしまい、組織は機能しなくなって
しまうのです。

そのような組織の機能低下の代表が「心筋虚血」や「脳虚血」です。他の臓器に比べて、
直接生命にかかわることですのでよく知られていますが、他の臓器なら安心という訳でも
なく、時間的に多少のゆとりがあるという程度で、どこで起きても高いリスクにさらされ
ていることに違いはありません。
心筋虚血は、動脈硬化や血栓などで、心筋に血液を供給する冠動脈が狭くなったり閉塞し
たりすることで起こります。主な症状は「胸痛」「心拍出量の低下」「不整脈」ですが、
一定時間内にカテーテル治療などで閉塞した冠動脈を再開通させる必要があります。
脳虚血も同じような原因で脳動脈が閉塞することで起こります。支配領域による違いはあ
りますが、麻痺や感覚障害が代表的な症状です。脳全体が虚血した場合は意識を失うこと
もあります。これらの症状が出ていて放置する人は少ないと思いますが、脳にしても心臓
にしても、時間的にゆとりがない状態ですので、早急な治療が必要です。
2.虚血性疾患の予防法
この種の病気も、ある意味「生活習慣病」ということになりますので、予防の方法の多くは生活習慣に起因するものということになります。
食生活では、脂肪・糖質の過剰摂取を改め、野菜や魚を中心としたメニューが推奨されて
います。脂肪は飽和脂肪酸(肉・乳製品など)を控え、糖質は炭水化物(ごはん・パン・
麺類など)を控えることです。糖質と言うと「甘いもの」と考えがちですが、もちろんそ
れもありますが、普通にもっとも多く摂取しているのは炭水化物なのです。
一方で、現代人に不足しているのが野菜・海藻類・魚介類と言われていて、食事内容だけ
でも、高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病になりやすい状態にあり
ます。インスタントラーメンやハンバーガー、コンビニ弁当をなどを常食としているよう
な人は、特に気をつける必要があります。

そして、もう1つの危険因子は「運動不足」です。運動不足で筋肉量が減少すると、基礎
代謝が悪くなります。すると、脂肪燃焼効率が悪くなりますし、血液の循環作用も悪くな
ります。結果、太りやすく、脂肪(特に内臓脂肪)が付きやすくなります。もうお分かり
のことと思いますが、これらは「生活習慣病」のリスク因子と言われています。
とは言っても、わかっていても、なかなか時間がないという声が聞こえてきそうですが、
特別な運動はできなくても、エレベーターをやめて階段を上る、歩くときに少しスピード
を速める、休憩時間にストレッチを行うといったことをするだけでもかなり違います。
は、和漢処方の医薬品を試してみても良いかも知れません。