体臭と食べ物の関係
加齢臭やワキガなど、体臭はどうすることもできないと考える人が多いですが、食事の内
容を変えるだけで、かなり抑えることも可能なのです。
そもそも体臭とはどういうものかと言えば、汗と皮脂が混ざり、肌の雑菌を増殖させるこ
とで発生することになります。汗にはエクリン腺とアポクリン腺の２種類があり、エクリ
ン腺から出る汗は、暑いときや運動をしたときに全身から出るサラサラとした水のような
汗ですが、脇の下などにあるアポクリン腺から出る汗は、水分以外にもタンパク質や脂質
などが含まれたベタベタとした汗で、いわゆる体臭やワキガと言われる独特のニオイのも
とになりやすい成分を含んだ汗のことです。
とは言っても、汗そのものが不快なニオイを出しているのではなく、汗をかくことで皮膚
に存在する雑菌（皮膚常在菌）が増殖しやすい環境が整います。つまり、高温多湿でジメ
ジメしている脇や股、足などがニオイの発生しやすい場所ということになります。
そこで、アポクリン腺から出るタンパク質や脂質を少なくすれば、体臭も抑えられること
になるという原理で、その方法が、それらの摂取量を減らすこと、つまり食事の内容を変
えるということになる訳です。
ただ、加齢臭と言われる４０代頃から発生するニオイは、皮膚の雑菌の代謝によるもので
はなく、皮脂成分（脂肪酸）が酸化されてできたノネナールという物質がニオイの成分な
ので、発生源は少し違いますが、こちらも食べ物を変えることで、汗に皮脂成分が含まれ
にくくなりますので、基本的な対処法は同じです。
ニオイを抑える方法
ニンニクやアルコールを摂取するとニオイの原因になることは知っていると思いますが、
体臭の原因になる中心的な食べ物には肉類（タンパク質）や動物性脂肪（チーズ、牛乳な
ど）があり、体臭を抑える働きがある中心的な食べ物には緑黄色野菜、緑茶、アルカリ性
食品（酢、梅干し、海藻類）などがあります。
もうお分かりですね、この辺の食べ物を毎日の食事でバランス良く配分して食べることで、
体臭はかなり抑えられることになります。
ただ、絶対的に汗を多くかくタイプの人は、汗を抑える制汗クリームなども併用すること
で、効果を実感する人も多いと言われています。
加齢臭に関しては、食事の内容的にはほぼ同様の対策になりますが、とんかつや天ぷらな
どの揚げ物に使われる油が、そのままノネナール発生の原因になりますので、加齢臭が気
になるなら、やはり摂取量を控えるべきです。
更に、加齢臭は皮脂成分が酸化された物質のニオイですので、入浴時は背中の皮脂を入念
に洗い落とすとか、皮脂の付いた衣類（特に冬場の洗濯回数が少ないもの）は、衣類用の
消臭スプレーなどの使用をおすすめします。
ここまで読まれた人は、何となくお気づきかも知れませんが、基本的に和食というのが体
臭予防に合っていることになります。なので、外食にしても、家庭でのメニューにしても
どちらかと言うと、和食に使用されることが多い食品を選ぶだけでも、かなりニオイを抑
制する効果が期待できるということになります。
そして、コンビニ弁当やファーストフード、インスタント食品、加工食品などは、その材
料というよりは、保存料や着色料など大量に使われている添加物そのものが体臭の原因に
なっていることがあります。安全性では問題ないとされていても、化学合成物質は体にと
っては有害物質であり、それを解毒する際に大量の活性酸素が生まれて体臭につながると
言われています。気をつけましょう。