今できる手汗対策
手汗といっても、その量や頻度には個人差がありますので一概には言えませんが、結論か
ら言いますと「あまり気にしない」ことが一番です。
というのは、現在できる手汗対策としては次の５つの方法があり、手汗で悩んでいる人は
もうすでにいくつかの方法は試されているかも知れませんが、今ここにたどりつかれたと
いうことは、あまり期待通りの結果ではなかったということだと思います。
手汗対策として現在知られているものは、
・「テサラン」「ファリネ」などの制汗剤を塗る。
・塩化アルミニウムや漢方薬などの薬品を使う。
・手袋などの手汗対策用品を使う。
・皮膚科・多汗症外来などを受診する。
・手術をする。
といったところですが、制汗剤などは一時的に汗を止める働きはあるものの、いずれも手
汗を治すというレベルまで期待できるものではありません。唯一、手汗を止めるという目
的を達成できそうなのが手術ですが、これには「代償性発汗」という副作用があります。
それは、交感神経を遮断してしまう手術を行うと、手汗だけではなく上半身の汗も止まっ
てしまい、その代わり背中や下半身など別の場所に多く汗をかくようになるという症状の
ことを言います。一見、何でもないことのように思えますが、実はこれは大変なことで、
人間の最も大事な司令塔である脳が収まる頭部に汗をかかなくなると、熱中症や脳神経細
胞へのダメージというリスクが大きくなります。しかも、一度切断してしまうと、元に戻
すこともできないので、後になって後悔する人も多いと言われています。
しかし、手術まで考えるということは、手汗の悩みもそれだけ深刻なレベルであると思い
ますので、絶対やめた方が良いとも言えませんが、副作用についての説明をしっかり聞い
て、納得してから受けることをおすすめします。
おすすめの手汗対策
確実性のある手術も副作用があるというなら、手汗はどうすればいいのかということです
ね。もし、手汗が気になる理由が「デートで手がつなげない」とか「スマホの操作が面倒」
というようなことであれば、テサランや
ファリネなどの制汗剤を使うのがおすすめです。
これらの制汗剤は、数秒後には手汗を感じなくなったとか、長時間持続するというクチコ
ミも多く、実際かなりの成果をあげているようなので、ハズレの少ない製品としてもおす
すめできます。
なぜ、制汗剤をすすめるのかと言えば、手汗というのは幼少期から成長期までは代謝も活
発なため多く発汗されますが、自律神経が発達すると次第に治っていくものなのです。も
ちろんこの頃は、手汗などあまり気にしていない人も多いのですが、成人になるとデート
や仕事、スマホなど手汗を意識することが多くなりますし、自律神経が不安定になること
も多くなり、自然と手汗を意識することも多くなるのです。
しかし、中高年期からは、ホルモンバランスが安定してくると自然に治ることも多いので、
何もしてなくても汗がしたたり落ちるとか、書類を持っただけでベタベタになってしまう
とかいった深刻な手汗でなければ、あまり気にしないで、必要な時には制汗剤を使うとい
うことが最善の方法ということなのです。
もっとも、高年齢になってから急に手汗がひどくなったとか、汗に変わったニオイがする
とか、常時ベタベタになるほど手に汗が出るといった場合は、何か他の病気を発症してい
ることが考えられますので医師の診断を受ける必要があります。
いずれにしても、手汗はリスクなく完全に治す方法がないというのが本当のところなので、
あまり気にせず、必要なときには適当な処置をすることでしのいでいれば、やがてそれも
気にならなくなるというのが一般的な手汗の悩み解消の流れです。
実際、誰でも手に汗をかいているお陰で、物を持つことができるのです。いつもスベスベ
だったら茶碗を持つのも一苦労ということになってしまいます。要するに、多少の違いが
あっても、みんな手に汗はかいているということなのです。私なんかスーパーでレジ袋を
開けるとき、もう少し手に汗が欲しいと思うこともよくありますが、逆に、もうある程度
の年齢なのでそれは望めないことかも知れません。
