そもそも赤ら顔とは
恥ずかしいとき、興奮したときに一時的に顔が赤くなるのは誰でも経験したこ
とがあると思いますが、赤ら顔というのは、顔が常に赤みをおびている状態の
ことを言うのです。
原因としては、温度の変化などにより毛細血管が拡張して血液が滞ってしまっ
ている場合や皮膚の病気、薬・化粧品が合っていないなどがあります。
このなかで、皮膚の病気や薬、化粧品が原因の場合は、比較的簡単に解決する
のですが、問題は皮膚の厚みです。もともと顔の皮膚は薄く、毛細血管は顔に
集中しているため毛細血管が透けて見えやすいのです。
なので、特に寒い季節には血流が悪くなり、毛細血管の拡張・伸縮機能が低下
するため、顔の温度を上げようとして血管は拡張しますが、収縮力が低下して
いると血管が透けて見えることになります。
このような症状が自律神経の乱れによって一時的に起きるのが「赤面症」で、
人前に出たり、緊張する場面で顔が赤くなるという現象です。
では、これは病気なのかというと、もちろん病気が原因でなることもあります
が、もともとの体質であったり、身体のバランスが崩れていたり、血管や血液
にも原因があったりするのです。
極論すれば、原因はわかっていても、いろいろ有って、どの原因が作用してい
るのかが分かりにくく、しかも原因を突き止めても、今度はそれを治療するの
が難しいというのが赤ら顔がなかなか解消されない理由なのです。
そこで、消去法でいくと、化粧品や薬が合わないという問題は誰にでもあり、
それを変えれば問題ないことですが、皮膚の病気（バリア機能の問題）や皮膚
の厚み、血管、血液の問題は体質の問題なので、薬を塗って終わりというもの
ではなく、生活の基本を変える必要があります。
西洋医学では、レーザー治療やホルモン注射といった具体的な対処法に人気が
ありますが、同じく東洋医学の内面からのケアで対処するという方法にも人気
があるのがそのような理由です。
暮らしの中での対策
病気の治療法では、西洋医学にも東洋医学にもすぐれた点が多くありますが、
赤ら顔の解消には、私は東洋医学的な考え方に賛成しています。
それは、基本的にステロイド系薬品の長期使用などが原因で皮膚が赤くなって
いるようなものではなく、皮膚が薄い、血管の収縮機能低下、自律神経の乱れ
などは、生活習慣や食生活を変えることで改善されて行きますし、赤ら顔とい
うのは本来そのような種類のものであると考えています。
もちろん、他の疾患が原因である場合は、そちらの治療が先になりますが、そ
うでなければ「食生活の改善」によるインナーケアから始めるのが最短距離だ
と考えます。
まずは、コラーゲン生成に不可欠なビタミンＣ、血流を改善するビタミンＥ、
血管を強化するビタミンＫを、そして皮膚の基本成分タンパク質を積極的に摂
取するように心がけましょう。
逆に、香辛料やアルコールは、習慣的に摂り続けると毛細血管を拡張させるだ
けではなく、刺激の強い香辛料は血流も滞らせ、血管内に血液がたまりやすく
なる原因にもなりますので最小限に控えるようにしましょう。
同時に、ていねいなメイクオフや洗顔で肌を傷めないようにし、水分と油分の
バランスのとれたスキンケアをすることなど、肌のトラブルを避けるようにす
る必要があります。
また、睡眠不足やストレス解消など、自律神経を健やかに保てるようにするこ
とも大切な要素の１つです。
このように、基本的に生活習慣の見直しをすることで、赤ら顔は自然と解消さ
れていくようなものなので、まずはそのための最初の一歩は「食生活の改善」
ということになります。