シミはどうして消えにくいのか
シミと言えば紫外線というほどよく知られた両者の関係ですが、これは紫外線
を浴びることで肌のＤＮＡが傷つくことから守るために、皮膚の一番下のメラ
ノサイトがメラニンを産生し日傘のような役割をしているんですね。
なので、本来は肌を守るためには必要なものなのですが、シミの原因になると
いうことで美容の世界では嫌われているのです。
しかし、同じメラニンによる日焼けはすぐに解消するのにシミは消えにくいの
はなぜかという疑問がありますよね。
日焼けして肌が黒くなるのは、紫外線を大量に浴びてメラニンが一気に大量に
産生されることで起こりますが、やがてターンオーバーで徐々に上に押し上げ
られ垢となって剥がれ落ちていくものなのですが、このターンオーバーが乱れ
たり、特定の場所でだけ過剰にメラニンが作られたりするとシミとして残って
しまいます。
つまり、自然のメカニズムだけでは対応できなくなったのがシミということに
なる訳なので、当然そのまま放置していても自然に消えるという種類のもので
はないということですね。。
自然のメカニズムが対応できなくなる理由の１つは加齢による機能の低下です
が、実はそれ以外にもいろいろな要因があるのです。
例えば、ストレスは体内に活性酸素を生み、体内の抗酸化物質を消費してしま
います。つまりメラニン生成を防いだり排出したりするための抗酸化物質を減
らしてしまうだけではなく、血流も低下させてしまいますのでターンオーバー
の乱れにもつながってくるのです。
ストレスが続くと「肌がくすんだ気がする」という人もいますが、それは気の
せいだけではなく実際にそのようになっているのかも知れません。
また近年新しく注目されているシミの原因に大気汚染物資もあり、肌表面に付
着した微弱な炎症もメラニン生成のきっかけになると言われています。
そして、意外にもシミの原因を自分で作っていることもあります。日本女性は
乳液やクリームのベタベタ感が好きではないようで、角層が乾燥した状態の人
が多いのです。つまり、メラニン生成の微弱な炎症を起こしやすい肌の状態が
好きだということなんですね。
そのような肌の状態で、ピーリングや顔マッサージなどが好みの人は、さらに
シミの原因を助長してしまうことになるのです。
シミは日光が当たればどこにでも
シミが紫外線と大きく関係していることは、顔の中でも紫外線の当たりやすい
鼻をはさんだ頬の高い位置に多くできていることからも容易に理解できますよ
ね。というと、耳の手前の比較的紫外線の当たりにくい場所にも多いという反
論があるかも知れませんが、それは日焼け止めやファンデーションのカバー不
足に原因があるということが多いのです。
ともかく、眉にも頭皮にも唇にも、日が当たればどこにでもシミはできるもの
ということを心得ておかなければなりません。
では、できてしまったシミの対処法はないのかというと、手術でもしない限り
一気に消し去る方法はありませんが、シミができる原因をできるだけ除外する
ことで改善することはできます。
つまり、紫外線に当たらないように日焼け止めをしっかりする、肌のターンオ
ーバーの乱れにつながるような生活習慣を改める、そしてシミにも食事は大き
な意味を持っています。
というとビタミンＣなどを思い浮かべるかも知れませんが、もちろんそれも大
切ですが、それと同じくらい大事な栄養素が「鉄」なんですね。
シミの原因となる活性酸素に有効な成分ですし、貧血気味なら肌に必要な栄養
素も行き届きませんので、特に日本女性の大半が貧血という現状から見ても鉄
は不可欠な栄養素ということです。
そして、皮膚の代謝をアップしてシミを追い出すには、タンパク質、ビタミン
Ａ・Ｂ・Ｃ、亜鉛を摂取することです。これらが多く含まれているのが赤みの
お肉ですので、シミを意識するなら、お肉は霜降りやカルビより赤身と割り切
りましょう。
美白効果のある成分は、ビタミンＡ・Ｃ・Ｅとされていますので、十分に摂取
することです。
これらの栄養素は直接シミに効果の認められているものですが、実は皮膚全体
の状態をトーンアップさせるものでもありますので、シミにフォーカスした対
策より顔全体の皮膚力をアップさせることでシミに注意が行かなくなるという
効果もあるのです。
また、化粧品も美白、保湿、肌荒れ予防、シワ対策などいろいろ使えるオール
インワンより「シミ対策」にスポットを当てたものに変える方がシミに対する
効果が出やすいということになります。
紫外線量が少なくなる秋ごろから、次の夏が来る前に集中してシミ対策をする
ことも大切で、その理由は言う間でもありませんよね。(笑）
