1.メンタルヘルスとは
メンタルヘルスとは、精神や心の状態のことを言います。つまり、感情や思考、行動のバ
ランスがとれている状態が、メンタルヘルスが良好な状態ということになります。これは、
日常生活における精神的な健全さ全般のことで、単純に精神疾患があるかどうかという意
味ではありません。
日本では、身体の健康については、以前から定期的なチェックやケアが行われていますが、
情報社会に生きる現代人は、常に情報過多による精神的な負担、SNSによる他者からの
批判や誤情報の拡散に晒されていて、自己評価が低下したり、孤独感を引き起こしやすい
環境にあり、近年では心の健康(メンタルヘルス)に取り組む環境も整いつつあります。

メンタルヘルスが不調になると、身体的、行動的、感情的な変化が現れやすくなります。
身体的には、原因不明の頭痛や胃痛、慢性的な疲労感などの症状を自覚するようになりま
す。行動面では、社交の場を避け、孤立感(友人や家族との交流を避けて、1人でいる時間
が多くなる)を深めるようになります。感情面でも、喜怒哀楽のコントロールが難しくな
り情緒不安定になったり、自分に対して否定的な感情を強くする(自己評価の低下)よう
になります。
このような状態が長期間にわたると、本人はもちろん、仕事や学業などの効率が著しく低
下しますし、免疫機能が低下して感染症などの病気リスクも高くなります。さらには、精
神疾患とされる、うつ病・適応障害・不安障害・睡眠障害などにも発展する可能性が高く
なると言われています。
メンタルヘルスを悪化させる主な要因は、業務上のストレス、対人関係。自身のまわりの
できこと(家族の介護、近親者の不幸、借金、病気、ケガなど)と言われています。これ
らのどれかということではなく、複数の要因が重なることでメンタルヘルスが悪化してい
くとされています。
2.メンタルヘルスの回復
メンタルヘルスを回復させるためには、まずは自身の精神や心の状態の不調に早く気付く
ことです。とは言っても、それができないからメンタルヘルスが不調になっているんじゃ
ないかと反論したくなるかも知れませんね。そこで、日常生活でメンタルヘルスを健康に
保つ方法から始めてみましょう。
起床後や就寝前に数分間、静かな環境で自分の呼吸や身体の感覚に集中する時間(瞑想)
を持つことを習慣化しましょう。これにより、心がリラックスし、ストレスホルモンの分
泌を抑える効果が期待できると言われています。

次は、定番中の定番ですが、十分な睡眠と規則正しい生活を心がけることです。基本は、
毎日決まった時間に就寝・起床することです。これにより、質の良い睡眠環境が整いやす
くなります。睡眠と精神状態には大きなかかわりがありますので、睡眠の質の向上は心の
健康の回復に大いに役立つとされています。
最後は、毎日の出来事や心に残ったことを中心に、ブログや日記などとして記録に残すこ
とです。自分の内面を客観的に見つめることができたり、メンタルの不調の原因を把握す
ることにも役立ちます。
このようにして、メンタルの健康を保ちながら、何かの不調のサインに気付いたら、最初
にするべきことは休息(エネルギーの充電)です。デジタル機器の使用は最小限に控え、
常に心のどこかで意識している「何かをしなければ」という思考から解放することで、脳
を休ませてあげることです。
次にすることは、ストレスの原因になっていることから、一時的に意識をそらして、心を
リフレッシュすることです。自分が楽しいと感じることをすることです。軽い運動や趣味
の料理、ガーデニング、自然に触れる(近所の公園散歩、森林浴、海を眺めるなど)こと
で、時間を忘れて気分転換をすることです。
他にも、入浴で血行を促進して、心身のリラックスをしたり、深呼吸(腹式呼吸)で気持
ちを落ち着けたり、仕事中でもストレッチなどで筋肉の緊張を解き、心身のリフレッシュ
に努めるようにしましょう。
それでも、回復が難しいようなら、近くの保健所や精神保健福祉センター、精神科や心療
内科などの医療機関、会社などに設置されている相談室やカウンセリングルームなどで、
専門家の助けを借りるようにしましょう。