1.心気症の原因と症状
心気症とは、自分の体に生じる些細な症状にも「重病にかかっているのではないか」と信
じ込み、その不安にとらわれてしまう疾患のことを言います。誰でも、どこかに不調が現
れると、もしかしたらと心配になりますが、病院で「異常なし」と診断されると、もうそ
れ以上に悩むこともありません。

しかし、心気症の人は、専門医の診断があっても、自分は「重病人」であるといった強い
不安にとらわれているため、逆に検査の結果を疑ってしまうといった状態になります。結
果、次から次へと病院を変えて繰り返し検査を受けるような事態に陥ってしまいます。
心気症の原因は「病気への不安」です。自分の体に生じた些細な症状を過大に認識するこ
とで不安になり、どのような検査を受けてもネガティブな捉え方しかできなくなってしま
うのです。具体的には、「何となく不調」「胃がむかつく」「胸に痛みを感じる」といっ
た、主観的で漠然とした症状で、実際に「不整脈が出る」「嘔吐」「下痢」といった客観
的な症状が認められないにもかかわらず不安が増して行くといった感じです。
年齢的には40代前後の中年層に多いと言われていますが、それはちょうど身体的な不調
が現れやすい年代であり、自身の健康について考え始める時期でもあり、過去に医師に不
信感を抱くような経験があったなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って心気症が発症し
ていくと考えられています。一般的に、特定の病気についての恐怖は6カ月以上続くと言
われています。
2.心気症改善への方法
心気症は「心の病気」ですので、本来は「精神科」の治療が必要なのですが、本人は「身
体の病気」と信じているため、適切な治療を受ける以前の問題が大きく立ちはだかります。
なので、適切な治療を受けることができたら、治療の半分は成功したと言えるかも知れま
せん。

心気症の人は、ある意味、診察を受けた病院からは見捨てられた状態になり、自身が否定
されている感覚になっています。周囲の人はそこを受け止めて、「不安はある意味正常な
感情である」と共感することです。
そして、病気や死を過度に恐れることなく、恐れを持ちながら、生きがいを大切にして元
気に生きていけるような状態をめざします。その一環として、少しでも気分が楽になる方
法として心療内科や精神科への受診をすすめてみると良いかも知れません。
の都度、専門医の診断と説明を受けるようにして、少しずつ不安を解消していくことも大
切です。同時に、精神不安や心身の疲れに効果が期待できる漢方薬なども有効な方法とし
ておすすめできます。
そのようにして、ある程度、考え方に変化が現れたら、外に出て少し運動をしてみたり、
正常時にいろいろ活動していたことに少しずつ復帰するようにして行きます。やがて、い
つ死が訪れても後悔のないように、充実した人生を送りたいといった「悟り」の境地に達
することができたときが心気症からの回復ということになります。とは言っても、それま
での道のりはそれほど単純なものでもありませんので、ゆっくり、辛抱強く見守って行く
という思いやりの気持ちが大切です。