便秘で悩む日本人の割合
便秘に関する共通した定義というものはありませんが、日本内科学会では「３
日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定め
ています。一方で、慢性便秘症診療ガイドラインでは「本来体外へ排出すべき
糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定めています。
この両者を合わせて考えると、排便の回数が少ないことはもちろんですが、不
快感や残便感がある場合も便秘ということになります。
高齢者になると、便秘の原因も「筋力低下」「食欲低下」などが中心になり、
便秘を訴える人も男女で差がなくなりますが、若い世代では男性より女性の方
が多いと言われていて、男性は全体の約３％、女性は全体の約５％の人が便秘
に悩んでいると言われています。８０歳以上の高齢者では男女共に約１０％の
人が便秘で悩んでいると言われています。
若い女性に多いということからも、誰にも相談できず１人で便秘に悩んでいる
若い女性が多いという現実があることになります。
しかし、あまり話題にはなりませんが、最近では子供の便秘も珍しくはなく、
小学生の約２０％が便秘に悩んでいるという報告もあります。
では、一般的に便秘に悩んでいる人の排便回数はというと、毎日排便がないと
いう人が約半数と言われていて、１日おき、２日おきが約１５％、それ以上に
少ないという人も２０％もいるというアンケート調査の結果があるんですね。
つまり、日本人の多くの人が「何日も排便がない」「便が溜まっている感じが
するが出ない」「腹部が張って苦しい」「すっきり感がない」「吐き気がする」
「食欲がない」といった悩みをもっていることになります。
若い人が便秘を改善するには
高齢者が便秘になる原因は、筋力の低下や食欲の低下、薬の副作用などで便意
を感じにくくなるなど共通した問題が多くありますが、若い人の便秘も、実は
共通していることがあります。
その原因とは「食事の量が少なく偏っている」「水分が少ない」「運動不足」
「我慢する」という共通したものが多くの人に見られます。
なので、便秘に悩んでいる若い世代の人は、まず生活習慣を見直すことから始
めることで、そこを外して改善することはほとんどありません。
まずは、便秘の人に多いのが「朝食抜き」です。ある大学生を対象とした調査
では、便秘の人の半数近くが朝食をとっていないという結果が出ています。
なので、便秘改善の第一歩は「朝食を毎日とる」ことです。そして朝食後にト
イレに行く習慣をつけることからスタートしてみましょう。
次に、「食事の量」を適度に食物繊維などをバランス良く摂ることです。ダイ
エットなどによる食事制限は便秘の大きな原因になりますので、便秘の悩みを
もつ人は極端なダイエットは控え、まずは便秘の改善を優先させましょう。
食事の量と同時に「水分の不足」も便秘の原因の１つですので、日頃からあま
り水分をとらない人は、水分の摂取を意識しましょう。
そして、腸の働きを活発にするためには「運動」をしなければなりません。無
理のないウォ―キングや早歩きなどを取り入れることで、体を動かす習慣を身
につけましょう。
最後は、「我慢しない」ことです。いつでも、どこでもという訳にもいきませ
んが、できるだけ排便を我慢しないことです。
習慣化すれば、それほど難しいことではありませんが、それでも生活習慣を変
えにくいという人は、意外にアロエがおすすめです。
たかが便秘と思っていてはいけません。便秘も立派な病気の１つなんですよ。
便秘で死んでしまうほどのこともありませんが、仕事や学校生活で他の人と同
じリズムで活動できなかったり、大腸がんや脳卒中などの病気との関連性にも
注目されている今こそ、便秘と真剣に向かい合う必要があります。
