足ふみの健康効果
足ふみは健康維持に良いというと、すぐに「足ふみでダイエット」や「足ふみで筋トレ」
などという拡大解釈された健康法が登場しますが、ハッキリ言ってそのような効果はあり
ません。ダイエットや筋トレ目的であれば、もっと消費カロリーが多く、筋肉刺激の大き
い運動をするべきで、そのためには最低でもウオーキングやランニングをしなければなり
ません。
それじゃ意味がないんじゃ？と思われるかも知れませんが、何もしなければ退化するだけ
になりますが、足ふみをすることで退化を食い止める効果が期待できるということです。
つまり、ダイエットや筋トレのように、現状以上の成果は期待できないけれど、現状を維
持するという意味ではかなりの効果が期待できるというものです。
そこのところをしっかり理解できていれば、変な広告にだまされて失敗したということも
ありません。
少し前に、イギリスの大学で「貧乏ゆすり健康法」なるものが話題になりました。それは、
座りっぱなしで生じる死亡リスクを、貧乏ゆすりで３７％も改善できるということを科学
的な根拠をもって紹介したためです。
貧乏ゆすりという座ったままで行う軽い運動だけでも、血流やリンパの流れが改善される
ため血栓ができにくくなったり、代謝も上がることで体温も上がるという効果があるとい
うことを研究データを持って証明した訳です。
その最もわかりやすい例が「エコノミークラス症候群」で、多少の余分なスペースがあっ
て、足を自由に動かすことができれば防ぐことも可能な症状なんですね。
ちょうど運動不足の人が健康上で起こるそのような症状を防ぐことが可能なのが足ふみと
いうことで、決してダイエットや筋力強化までを期待できるものではありません。
しかし、現代社会ではそのような軽い運動すら足りていないエコノミークラス状態の人が、
かなり多いと言われていますので、関節痛やむくみ、冷えなどの悩みを抱えている人には
おすすめです。
足ふみ運動の方法
足ふみができないという人はあまりいないと思いますが、実際やってみると意外に長続き
しない人が多いですね。それはダイエットや筋トレにはならないということからもわかる
ように、目に見えた成果がないことも１つの理由です。
しかし、何事もなく普通に生活できることが幸せと感じる境遇にある人には、ぜひ足ふみ
運動を続けていただきたいと思います。平成天皇・皇后両陛下は、朝の散歩の途中でスロ
ージョギングというものをされていたそうです。
ジョギングと言えば走り回るのかと思われるかも知れませんが、スローとついていますの
で「ゆっくりとした動作」で行うことになります。そして着地するときは「かかと」では
なく「足の指の付け根」が地面に着くようにすることで、高齢者の足・腰・膝にも優しい
運動ということになります。
何となくイメージできたでしょうか？実はこの運動を移動せずに行うと「足ふみ」になる
訳ですね。先日、ＮＨＫでも踏み台昇降運動というのが紹介されていましたが、これもス
ロージョギングと同じ田中教授の提唱による運動で、高さ２０センチほどの踏み台を登り
降りするだけの運動ですが、やはり健康維持としては効果がある運動です。
ここまでで言えることは、足ふみ運動は高齢者に最適な運動ということですが、それは高
齢者になってからでも始めることが出来て、高齢者になっても継続出来るという意味です
ので、当然のことながら、若いうちから継続すれば十分な効果が期待できるのです。
最近発売された「あしふみ健幸ライフ」という木工職人が丹念に手作りした器具は、びん
ぼうゆすり、スロージョギング、踏み台昇降のメリットをとり入れた歩行不足解消のため
の商品ですが、理学療法士や作業療法士の方にも評判が良く、世界一座っている時間が長
いと言われている日本人の健康のために、今、静かに注目されている運動器具です。
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