1.腰椎椎間板ヘルニアが起きるメカニズム
椎間板とは、脊椎の骨と骨の間に存在して、衝撃を吸収したり、背骨の可動性を保つ働き
をしています。その中央にはゼリー状の髄核、外側は線維輪という二重構造組織になって
います。健康な状態の椎間板は、豊富に水分を含む、弾力性のある状態ですが、加齢や肥
満・重い物を持ち上げるなど、椎間板への負担が増えることで、椎間板が破裂したり変形
して、髄核が外に飛び出して脊髄神経を圧迫することで腰痛やしびれ、脱力感などの神経
症状が引き起こされることを椎間板ヘルニアと言います。このヘルニアが腰の高さにあた
る背骨の部分(腰椎)で起きることを腰椎椎間板ヘルニアと呼んでいます。

椎間板は、加齢とともに水分や弾力性が失われていくため、破裂したり変形しやすくなり
ます。ひとつの目安として、50歳ごろからが椎間板が硬くなり、割れやすくなっていく
時期と言われています。まだまだ自分は力仕事の中心にいると考えている中年の人が、実
はもっとも腰椎椎間板ヘルニアになりやすいとされています。
高齢になると、力仕事は少なくなりますが、体重が増加して慢性的な肥満体型になれば、
やはり椎間板の負担が大きくなりますので、ヘルニアを引き起こしやすくなります。
腰椎椎間板ヘルニアは腰に起きる病気ですが、症状は、足の運動や感覚をコントロールす
る坐骨神経に沿って、足にしびれや痛み、虚脱感などの症状が現れやすいと言われていま
す。もちろん、腰周辺にも痛みなどの症状は現れますし、最悪、排便・排尿コントロール
ができなくなってしまうこともあります。
2.腰椎椎間板ヘルニアが起きたときの対処
椎間板ヘルニアの症状は、圧迫される神経の位置や強さによって異なりますが、主な症状
としては、腰痛、片側の足の痛み・しびれ、太ももから足先にかけての放散痛(本来の疾
患部位と違う場所で痛みを感じる症状)、足の筋力低下、感覚の麻痺、脱力感などですが、
特徴としては、横になると症状が和らぐ傾向にあることです。
全身の感覚が鈍くなったり、両足に症状が出たり、膀胱直腸障害(排尿・排便困難)の症
状がある場合は、重症ですので整形外科で診察を受けるようにして下さい。
比較的軽い症状の場合は、コルセットなどを装着して腰を動かさないようにしながら安静
を保つことです。もちろん病院へ行くのがベストですが、椎間板ヘルニアの治療は約90
%は保存療法(手術せずに改善)ですので、まずは安静を保ち、できる範囲でストレッチ
や筋力強化に努めるようにすることです。決して無理をしない程度で行って下さい。

だいたい1カ月程度で、何となく治った感が出てきますので、再発予防を兼ねて、ゆっく
りとリハビリを開始して下さい。姿勢の改善(骨盤を立てて、腰を丸めない座り方)、大
幹トレーニング、重い物の持ち方(中腰で物を持たない、体に密着させて荷物を持つなど)
を意識しながら、少しずつ慣らして行くようにしましょう。適正体重を大きく上回ってい
る人は、できるだけ適正体重を意識した食生活や運動習慣を始めることをおすすめします。
腰椎椎間板ヘルニアは、慢性的な腰痛や坐骨神経痛とも相関関係にありますので、すでに
そのような症状がある人は、腰椎椎間板ヘルニアの予防のためにも、生活スタイルの改善
に取り組むことを心がけるようにして下さい。