1.コレステロール害悪説とは
中年以降は、健康診断などでコレステロール値を指摘されることが多くなりますが、その
ようなときの医師の指導は、食事や運動など生活習慣の見直しや、コレステロールを下げ
る薬の処方ということになっています。

で、コレステロール値が高いと何が悪いのかと言うと、動脈硬化を促進する要因になるこ
とで、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高める原因になるということなんですね。そして、
その根拠になっているのが、今から50年ほど前のアメリカのフラミンガム研究の途中経
過としてそれらしい発表がされたことで、日本でもその説を受け入れることになって、そ
のまま現在でも、コレステロールは良くないということになっているのです。
おもしろいことに、このフラミンガム研究の最終報告では、一部の年代の一部の病気以外
では、コレステロール値が高いほど死亡率が低いといった結果が出ているのですが、日本
では少しでも基準値を越えたら危険という、50年前のフラミンガム研究の中間報告の結
果をそのまま医療現場で適用して、年代に関係なく現在も、コレステロール害悪説を展開
しているのです。
さらに、フラミンガム研究では、コレステロール値が高いほど、ガンの死亡率は低くなる
とも報告されているのですが、それも当然のことで、ガン細胞を排除する免疫細胞の1つ
であるNK(ナチュラルキラー)細胞はコレステロールを重要な材料としているのです。
また、コレステロールの説明で常に登場する「悪玉」も「善玉」も、違いは名前だけで、
内容は何も変わりません。
2.コレステロールの働きとは
人間に限らず、細胞は動物の体を形成する重要な脂質の1つで、人間の体は約60兆個の
細胞からできているとされていますが、その細胞を守る細胞膜もコレステロールで出来て
います。
また、私たちの若々しさを保つ働きをすると言われている、男性ホルモンや女性ホルモン
もコレステロールを材料にしています。特に男性の場合は、男性ホルモンが不足すると老
化が激しくなると言われています。性欲・意欲・記憶力・判断力が衰え、筋肉量も減り、
社交性もなくなるといった感じで、ただ生きているだけの老人というイメージになってし
まう可能性が高くなるのです。
近年は、うつ病という病気もよく知られるようになりましたが、これは脳内のセロトニン
が減少して、感情や心の若々しさが失われていった結果とされていますが、実はコレステ
ロールにはこのセロトニンを脳に運ぶ働きもあるのです。

もう1つよく聞く話に、コレステロールの多い食品を控えるというものがありますが、コ
レステロールの約8割は私たちの体内で作られるのです。そして、食事から摂取されるコ
レステロールが多くても、血中のコレステロールは最終的に一定の量に収まることになっ
ています。それは、食事によるコレステロールが多いと判断されれば、体内で作られるコ
レステロールの生成量が減り、摂取量が少ないと判断されれば、それだけ多く生成される
からです。つまり、コレステロール値が高いから節制するというのはちょっと違うのかな
ということです。
結論として、コレステロールはそれほど気にする必要がないというところでしょうか。そ
れでも心配という人は、自分で納得の行くところまで調べてみることです。これを機に、
医者が言うから無条件に正しいと信じる考えを改めることも人生の学びのひとつです。