手荒れは手の洗いすぎ？
感染症等が流行すると、その対策の１つに手洗いというのがありますが、果たして手は洗
えば洗うほど清潔になるかというと、じつはそういうものでもありません。
特にアルコール消毒などで入念に手洗いを続けている人は、逆に肌が乾燥して手荒れを起
こしてしまうこともあるのです。いわゆるバリア機能の低下ということですが、洗剤やア
ルコールなどで繰り返し手を洗っていると、皮膚の表面にある皮脂まで取り除いてしまう
ことになり、皮膚表面を傷をつけてしまうことになります。
すると、肌が乾燥してヒビ・あかぎれといった手荒れを引き起こすことになり、更にその
傷口から雑菌が入り込みやすくなります。つまり、感染症の予防も度が過ぎると逆に感染
症のリスクが増えることになるのです。
日頃から常に清潔好きで、ある程度は手荒れ対策もしながら手を洗っている人を見習って
ハンドクリームを持ち歩く姿も見かけますが、初心者は好みの香りのついたクリームを選
びがちです。しかし、この香料も手荒れを悪化させる原因になることが多いのです。
もちろん感染症の流行に関係なく、水に触れる機会の多い人、とりわけ何らかの洗剤を使
用することの多い人は、同じような手荒れを患うことが多くなります。
当然、ゴム手袋などをして手荒れ対策をしていると思いますが、ここでも天然素材がいい
ということで天然ゴム（ラテックス）手袋を使うケースが多いですが、意外にアレルギー
体質の人にはポリエチレンや塩化ビニル素材の方が無難です。バナナやキウイフルーツな
どで喉がイガイガする人は注意が必要です。
手荒れを防ぐセルフケア
もうすでに出血が見られるほどに悪化している場合は、とりあえずは皮膚科で相談してみ
ることをおすすめしますが、その後のためにも「手荒れ対策」の基本はマスターしておく
必要があります。なぜなら、手荒れは何度も繰り返すからです。
手荒れの症状が現れると、最初にやるべきことはハンドクリームなどを持ち歩くことです
が、実は手荒れが最も悪化するのが、痒くて「寝ている間」に掻いてしまうことです。
なので、寝る前に両手にハンドクリームを塗って、綿の手袋をつけて寝るのが最も効果的
な手荒れ対策です。
しかし、毎日が水仕事という人は、それでも手荒れはなかなか解消しないと思いますが、
そのような人はスキンプロテクトクリームという水をはじいて手を守るというタイプのク
リームに変えてみるといいかも知れません。
また、感染症などの流行が理由で、にわかに手を頻繁に洗い始めた人は、手の洗い方も勉
強しておく必要があます。基本は「ぬるま湯」を使って、こすり過ぎないように、爪のま
わりや指の間も丁寧に洗うことです。
そして、最近よく見かけるハンドドライヤーは、手荒れをする人は避けるのが無難ですし、
ときどき髪や服で拭いている人もいますが、それも良くありません。手洗い後は、清潔な
タオルやハンカチを使ってすみやかに水気を拭き取るのが基本です。
最も大切なことは、手荒れの症状が出たときは、すぐに対策をすることです。悪化するま
で放置すると重症化して長引くだけではなく、さまざまな感染症の原因にもなります。
何よりも困るのが自分の日常生活ですので「手洗いもほどほどに」することと、少しでも
異変を感じたら、まずは「保湿」を心掛けることです。
