脳が疲れるとは
人間の脳は複雑で、全体を把握することは到底無理ですので、ここでは脳の疲労に関係す
る部分だけを取り上げてみます。そこで、脳が疲労するというのはどういうことかという
ことですが、人間の脳には「新皮質」と「旧皮質」という２つの司令塔があって、新皮質
は思考や学習的な活動、旧皮質は食欲や性欲などの本能的な情動を担当しています。
とは言っても、両者は密接に関係しており、一方がストレスを受けると、もう一方も影響
を受けるような関係にあります。例えば、私たちが外部からストレスを受けるということ
は知的情報を処理する新皮質がストレスを受けます。すると旧皮質にも影響が及び両者の
ストレスが自律神経にも影響を与え、脳と体のバランスに狂いを生じさせることになりま
す。このような結果として起こるのが「不眠」や「食欲の低下」「過食」といった症状な
のです。
つまり、不眠や不安、意欲や思考の低下、過食などの症状が現れたときは、この２つの脳
の機能が低下しているときということになるのです。
しかし、大半の人は、多少は気にかけていても、特別な対策を考えることはしません。す
ると、その先には「生活習慣病」や「認知症」などのリスクが見えてくるというのが脳の
疲労が認知症にも影響しているという理由です。
脳の疲労回復には
脳の疲労がストレスなら、そのストレスを脳に与えないようにすればいい訳ですね。（笑）
つまり、どのような人から、どのように的確なアドバイスを受けても、それが自分の好み
に合わなければ従わない。逆に、例えば禁煙など、一般的に健康によくないからと勧めら
れても、自分が好きなものはやめない。といったことが脳にストレスを与えない方法とい
うことになります。もちろん、人から勧められた健康法などが自分の好むことであれば、
積極的に取り組むことは、脳にも体にも良い結果が得られることになります。
もちろん、脳の疲労はストレスだけではなく、脳内の物質が減少することとも無関係では
ありません。そして、その物質というのが最近話題になっている動物の体内に存在するリ
ン脂質の一種である「プラズマローゲン」ということなのです。
プラズマローゲンは、脳神経細胞や心筋、リンパ球に多く含まれていて、神経細胞の抗酸
化作用を持つ物質と言われていますが、生活習慣や食生活の乱れ、加齢などが原因で減少
するものでもあるのです。これが高齢者に「アルツハイマー型認知症」が多い原因と言わ
れていて、以前は「脳内に蓄積された特殊なタンパク質による脳神経細胞破壊」説が有力
視されていましたが、最近は「脳神経炎症」説が有力になってきています。
このような理由から、認知症対策に有効な物質として、世界中でプラズマローゲンの研究
が行われているという背景があるのです。
中でも、ホタテ由来のプラズマローゲンが、記憶機能の改善に良いということで期待が集
まっているということなんですね。「ささいなミスが増える」「ぼんやりすることがよく
ある」「不自然な会話が目立つ」といった一見普通の老化の裏に認知症ということも多い
と言われています。
プラズマローゲンは、サプリメントでも摂取可能ですので、自分や家族にどこか「おかし
い」と感じたら、ぜひ早めに脳疲労回のための対策を始めて下さい。