1.頚椎症性神経根症の原因と症状
頚椎症性神経根症とは、加齢による頚椎(首の骨)の変化により、神経根が圧迫されるこ
とで発症する病気です。主な症状としては、首の痛み、肩から腕、指先にかけての痛みや
しびれ、力の入りにくさなどがあります。
頚椎(首の骨)は、7つの骨(椎骨)で構成されていて、椎間板という組織でつながって
います。その中には脊柱管というトンネルがあり、そこを脳に通じる神経(脊髄)が通っ
ています。つまり、加齢などで頚椎に変化が起きて、その中を通る神経根が圧迫されるこ
とで起きる症状のことを頚椎症性神経根症というのです。

症状は、圧迫される神経根の部位や程度によってさまざまですが、初期の頃には首に違和
感を自覚する程度ですが、やがて首の痛みや肩こり、手や腕に痛みやしびれ、筋力低下、
感覚障害などが現れるようになります。他にも、頭痛やめまい、自律神経失調症などの症
状が出ることもあります。
主な原因が加齢による頚椎の変化ですので、高齢になれば誰にでも発症する可能性はあり
ますが、日常生活での要因を取り除くことで、発症リスクを下げることも可能になります。
日常生活上の要因とは、同じ姿勢での長時間作業、姿勢の悪さ、頚椎への負担が大きいス
ポーツや事故、枕の硬さや高さ、片側に偏って重い荷物を持つなど、誰でも普通に行って
いるようなことでも原因になり得るのです。特に近年はスマ―トフォンの普及で、長時間
のうつむき姿勢を続けている人が多く、ストレートネックなどという言葉を実感している
ような人は、将来的に頚椎症性神経根症のリスクが高くなる傾向にあります。
2.頚椎症性神経根症の予防と改善
頚椎症性神経根症は治るのかという心配をする人が多いですが、正直なところ、主な原因
が加齢によるという場合は、完治するかと言えばそれは無理です。ただし、症状が軽度の
場合は、生活習慣を見直したり、安静を保つことで、症状が気にならない程度にまでは改
善できる可能性はあります。期間的には1~3カ月で症状の改善が見られることが多いと
言われています。
しかし、専門家でもない人が何をもって判断すれば良いのか分からないことが多いと思い
ますが、初期症状として現れやすいのが、首や肩のこり、軽い痛み、といったことです。
これらの症状がいつまでも治まらなかったり、徐々に強くなったり、腕や手にしびれや放
散痛(特定の部位で感じる痛みが、神経を通じて他の部位に広がる現象)が出てきたよう
なときは、症状が進行している可能性が高いので、早目に整形外科を受診して下さい。
たまに、握力の低下や細かい作業(字を書く、箸を使うなどの動作)が以前より低下する
といった形で現れることもありますので、合わせて注意すべきサインとして覚えておきま
しょう。

日頃から、首周りの筋肉をほぐすストレッチや頚椎を支える筋肉を鍛えるなど、首への負
担の軽減に役立つようなことにも進んで取り組むことを意識するようにして下さい。いず
れも、ゆっくりと行うこと、痛みを感じたら中止すること、が原則です。
寝るときの姿勢は、できれば仰向けで寝るようにすることで、うつぶせや横向き寝は避け
るようにして下さい。そして、スマホ首などが気になるということで、下を向く姿勢を避
けることは正解ですが、実は、上を向く姿勢も避ける必要があります。